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1977年4月8日〜10日に東京・晴海にあった国際見本市会場で開催されたフェスティヴァル、ローリング・ココナツ・レビュー。地球環境をテーマとした日本で初めてのベネフィット・コンサートと言われ、その時のライヴの模様は、一部アーティスト(ジャクソン・ブラウン、J.D.サウザー、ウォーレン・ジヴォンなど)を除いて『ROLLING COCONUT REVUE JAPAN CONCERT 1977』なるCD14枚組のボックスに収集され、コンサートから40年を経て一昨年ようやく発売された。昨年はその中から久保田麻琴、ジョン・セバスチャン&フレッド・ニール、エリック・アンダーソンなどが順次 単品リリース。今年の最初として、コンサートの大トリを務めたスタッフが発売になった。

ご存知のようにスタッフは、ベースのゴードン・エドワーズを中心に、エリック・ゲイル/コーネル・デュプリー(g)、リチャード・ティー(Kyd)、スティーヴ・ガッド/クリス・パーカー(ds)の6人組である。しかしこの初来日時は、ゲイルとガッドが不在の4人編成。当然音数は少なくなるが、それが音の薄さに直結しないところが、スーパー・グループのスーパー・グループたる所以だろう。デュプリーとクリス・パーカーに関しては、むしろ個人が何を演っているかがハッキリ分かるので、コレはコレで充分面白い。特にリーダーたるエドワーズは、編成上のギャップを埋めんと張り切っていて、ベースがブンブン唸っている。

メンバー個々のテクニック、片肺飛行でも圧倒的にスゴいグルーヴ感は、後々まで語り継がれ、日本でのスタッフ人気の高さを先導した感がある。1st からの3曲のほか、アース・ウインド&ファイアー<That’s the Way of the World>、ジョー・コッカーでお馴染み<You Are So Beautiful>、スティーヴン・スティルス<Love the One You’re With>といったココでしか聴けないカヴァー曲は、スタッフ好きには聴き逃せないところだろう。

スタッフを筆頭に数組のアーティストを聴きたいがために、大枚出してボックスを買った身としては「何だよ バラで出すなら先に言っとけ」と思うが、まぁ仕方がない。でも『ONE STEP FESTIVAL』、そして『ROLLING COCONUT REVUE』と、SUPER FUJI DISCS には同じコトをやられたので、後続の某ロックン・ロール・センターのハコはサスガに買うのを止めました