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オーレ・ブールド のジャパン・ツアー 2020 @Cotton Club 3rd Day、最終日の今日は 1st / 2nd 両セットどちらもフルハウスながら、なんとか参戦してきました。1st は 名古屋〜関西エリアでラジオDJ として活躍されている佐野瑛厘さん( KALAPANA ケンジ・サノさんの妹さんでも)とご一緒に。2ndには沼澤タカさんもいらしてた。

最終日ということで、オーディエンスの方は最初からハイ・テンション。前2日に比べて特にココが変わった、というところはなかったものの、客の熱気に乗せられて演奏にもチカラが入っていたようだ。結局3日間6ステージ中5ステージを観たが、セットリストは毎回同じで、最終公演に期待されたボーナスはナシ。それどころかMCの内容までほとんど同じで、ある意味オーレの完全主義を象徴する3日間だった。

完璧といえば、今ツアーで特に良かったのが、コーラスの充実。今までのジャパン・ツアーで、メンバーが一番シッカリ歌い込んでいたのではないか。

では全公演終了ということで、セットリストを公開。

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新作『OUTSIDE THE LIMIT』からは10曲中8曲を披露。そのほか日本で出ている3枚『SHAKIN' THE GROUND』、『KEEP MOVIN』、『STEPPIN' UP』からそれそれ2曲ずつと、ペイジスのカヴァー<You Need A Hero>という構成。そっかー、以前の曲がずいぶん少ないイメージだったけど、こうして整理すると、意外に過去のアルバムからバランスよくチョイスしていたのね。とにかく日本のAORファンは、<One More Try>と<Broken People>が両方聴けただけで、かなり満足度が高かったと思う。

何れにせよ、ほぼ完璧なステージ・パフォーマンスを提供してくれたオーレとバンド。でも欲を言えば、1曲ぐらいはメンバーのインタープレイをフィーチャーする楽曲があって良かったと思うし、1st と 2nd ごとに1〜2曲入れ替える選択肢もあったと思う。例えば、ペイジスの曲なら何でもできるはずだから、ココを日替わりにするような小技があって良かったのでは? もちろん今後に望むのは、ホーン・セクションの帯同。もしくはジノ・ヴァネリやダニエル・セラフィン率いるCTA(California Transit Authirity)のように、日本でホーン奏者を調達するやり方だってある。ま、それがなくても オールモスト・パーフェクトだから、かなり贅沢な物言いではあるのだが…

ちなみに今回一番の努力賞は、kydのヨハネス・グルート。『OUTSIDE THE LIMIT』の完成後に参加した新メンバーであり、なおかつ最年少。しばらく固定しているメンバーで鉄壁のアンサンブルと結束力を誇るオーレ・バンドへの参加は、それだけでかなりのプレッシャーだったはずだ。しかも日本へ来て体調が崩したそうで、バックステージで横になっていることも多かったとか。最終日の2nd 以外サイン会に出てこなかったので不思議に思っていた方もいたと思うが、理由はそれである。もちろん演奏中はそんなところが微塵も感じなかったLounge 。ベースのラース・エリックによれば、「彼はギターも上手いし歌えるし、かなりの才能の持ち主」とか。ちょっと話してみたら、ドリーム・シアターがアイドルという好漢だった。

とにかく盛り上がった3日間。音楽的には70〜80年代を感じさせるAOR スタイルだったかもしれないが、その勢いやバンド・スタンスはまさに現行アーティストのそれで、ノスタルジアとは無縁。AOR系の若手では今もっともネクスト・ジェネレーションに浸透しているアーティストだけれど、もっともっと支持を大きく広げてほしいところである。