doug brons

拙監修 Light Mellow Searches から来週19日に本邦デビューするのは、既に50歳代も後半のニュー・カマー、ダグ・ブロンズ。音楽キャリアは40年近いが、CDデビューは2017年の『SOULSCRIPTED』が最初。ビル・チャンプリンにエイミー・グラント、マイケル・オマーティアン、そして元ヘッド・イーストでクリスチャン系ハード・ロック・バンド:ペトラのリード・シンガーだったジョン・シュリットらが参加していて、先物買いのAORファンにチョッとだけ注目された。

強く影響されたのは、TOTO、シカゴ、ボズ・スキャッグス、アンブロージア、ビリー・プレストン、マイケル・マクドナルド、デヴィッド・パック、デヴィッド・フォスターなど。ビリー・プレストンの存在が意外と言やあ意外だが、このダグ・ブロンズ、そもそもがゴスペル系のブルー・アイド・ソウル・シンガーで、1stを遡ること4年前にもゴスペル作をリリースしている。今となってはあまり触れたくないらしく、キッパリ「『『SOULSCRIPTED』が1枚目」と断言していたが…。でもそうしてゴスペルとロック、ソウルを股に掛けたビリーに感化されるのは合点が行く。

プロデュースは前作同様、ナッシュヴィルを拠点に活動するセッション・ギタリスト、トム・ヘンビー。特にCCM方面で活躍し、弟ロン・ヘンビーは一時インペリアルズのメンバーを務めた。トム自身もエイミー・グラントとは、レコーディングやツアーで長く関係を保っている。そうした職人が後ろに付いているので、サウンドはやっぱり本物志向。ほとんど打ち込みで音を作っているが、そのメイキングは自然で、よく練り上げられている。そしてそこに乗るダグのソウルフルなヴォーカルが、熱くてまた素晴らしいのだ。

例えば<Love Finds A Way>という曲では、前作に引き続いてビル ・チャンプリンが参加してバック・コーラスをつける。でもダグは、そのビルの歌ヂカラに全然負けていない。また時にはマイケル・マクドナルド張りのスモーキーな声を聴かせる時もあって、そのスケールの大きな歌いっぷりに期待を寄せずにはいられなくなる。

今どき、コレだけ熱量のあるブルー・アイド・ソウル・シンガーには、なかなかお耳に描かれない。まずは要チェックお願いします。