cream_goodbye tour

ほとんどお籠り状態の1週間ながら、所用でクルマにて外出。車内では爆音で、届いたばかりのクリーム『GOODBYE TOUR LIVE 1968』4枚組を。68年10月4日に行われたフェアウェル・ツアーの初日オークランド・コロシアム公演から、19日のL.A.フォーラム、20日のサンディエゴ・スポーツ・アリーナの3CDは、オリジナル・アナログ・テープから新たにリマスターした高音質収録。11月26日のロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールのリアル最終公演は初CD化なので、ちょっと期待したが、アレまぁ コレのみ音質がブート並みで。実際のところは映像版が出ているので、音質が向上してないなら、コレは要らんかったな?と。

でも最初の3枚だけで、作品的には充分価値アリ。基本的にエリック・クラプトンの若き日のプレイを聴きたくてクリームに辿り着く音楽ファンが大半だと思うが、クリームが壮絶なのは、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーの壮絶バトルがあったからで、クラプトンはむしろその接着剤かつ緩衝材に過ぎなかったことが窺える。普通はギタリストがアドリブ・ソロを始めたら、リズム隊は脇役に徹するもの。でもクリームは3人が3人、一斉にソロを始めてしまう感覚。あり得ない。

結局、人間が繊細だったクラプトンは、酒とクスリと女に溺れ、活動をスロウ・ダウン。体力のあった2人は、それぞれジャズやアフリカに活路を求めたものの、結局クリーム以上の結果は残せていない。ふと、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーが、もしジミ・ヘンとトリオを組んでいたら、と妄想。そうしたらジミ・ヘンも2人に触発されちゃって対抗意識を燃やし、あんなに早死にしてなかったかもしれないなぁ

当面バタバタで、日ごとの聴き比べはできないけれど、壮絶なロック・トリオの最後の姿を生々しく捉えたハコ、というだけで、美味しすぎるな。