elton john_moscow

今年はコロナの影響で6月に延期になっている世界的なレコード祭典、レコード・ストア・デイ。その昨年のヴァイナル限定リリースだったエルトン・ジョンの2枚組ライヴ盤が、約1年を経てCDでリリースされた。あまり期待せずにポチッたけれど、思いのほか内容が充実していて、もう何度か聴き倒している。

クレジットにもあるように、バンド編成のパフォーマンスではなく、パーカッションのレイ・クーパーひとりを従えてのショウ。しかも、まだロシアになる前の、冷戦下のソ連・モスクワ公演だ。資料では、当時のソ連としては初の西側ロック・アーティストの公演だったとか。だから緊張感もひとしおだっただろう。でもそれが逆にイイ方へ作用して、こんなステキなライヴ・パフォーマンスになった。収録は79年5月。元々はBBCでのオンエア用にライヴ・レコーディングされたものだそうだ。有名曲ではイントロだけでシッカリとリアクションがあるので、その頃からソ連でもチャンと支持者がいたことが窺える。

しっかし、たっぷり90分超、ピアノの弾き語りでこれだけ盛り上げてしまうパワーはスゴイな。ピアノの達者なところも、手を取るように分かる。リバーブの掛かり具合から察するに、アリーナではなくホール・クラスの小屋での収録だと思われるが、大物アーティストはココ一発で放つ波動というのは、マジ、ビックリさせられる。それはむしろ、バンドで賑やかにワチャワチャ演るより、弾き語りやミニマムなフォーマットで歌った方が伝わりやすい。歌い終わったのに拍手することも忘れてしまうような息を呑んでしまう瞬間、そうしたモーメントがこのモスクワ・ライヴに封印されている。

初期のヒット曲はあらかた網羅されているので、そういう楽しみ方も可能。最後のビートルズ・メドレー、<Back In The U.S.S.R.>で締めるあたりは、初モスクワならではのサーヴィスだ。ジャケはコサック・ダンスでも踊ってるんですかね? 

【Disc 1】
1. Daniel
2. Skyline Pigeon
3. Take Me To The Pilot
4. Rocket Man (I Think It’s Going To Be A Long, Long Time)
5. Don’t Let The Sun Go Down On Me
6. Goodbye Yellow Brick Road
7. Candle In The Wind
8. I Heard It Through The Grapevine

【Disc 2】
1. Funeral For A Friend
2. Tonight
3. Better Off Dead
4. Bennie And The Jets
5. Sorry Seems To Be The Hardest Word
6. Crazy Water
7. Saturday Night’s Alright (For Fighting)/Pinball Wizard
8. Crocodile Rock / Get Back / Back In The U.S.S.R.