ryo kawasaki

遠くエストニアからの訃報。ジャズ・ギタリストの川崎燎(Ryo Kawasaki)が13日に逝去。長く食道ガンを患っていたそうだ。70年代前半にニューヨークへ渡り、ギル・エヴァンスやエルヴィン・ジョーンズ、チコ・ハミルトンといった巨匠たちと共演。しかし80年代以降はギター・シンセサイザーを開発したり、MIDIのマルチ・トラック・レコーディング・システムを考案したり、MIDIシークエンサーを応用してニューヨークのハウス・ミュージック・シーンに切り込んだりと、ボーダーレスな活動を展開した。ところが近年はクラブ〜レア・グルーヴ方面からの再評価が高く、エストニアに拠点を定めた00年頃からクロスオーヴァー/フュージョンへ回帰。こちらに紹介する『LEVEL 8』が、彼の最後の作品となった。

上掲はクラブ人気の高い79年作『MIRROR OF MY MIND』。ベースにアンソニー・ジャクソン、ドラムにハーヴィー・メイスン、鍵盤がレオン・ペンダーヴィス、サックスにマイケル・ブレッカーというゴッツいメンバーを従え、ヴォーカルにインド人シンガーのラーダ・ショッタム。7曲中6曲がそのラーダ嬢の瑞々しいヴォーカルをフィーチャーしているから、さぞお気に入りだったのだろう。スターター<Trinkets & Things>が、フロア・ユースになったサンバ・グルーヴの人気曲。バーデン・パウエル<Brasiliana>のカヴァーもある。

76年のUSデビュー盤『JUICE』も人気だが、川崎といえば、まずコレだろう。享年73歳。

Rest in Peace...