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アルファ・ミュージック創立50周年プロジェクト『ALFA50』がスタート。その第1弾として、シティ・ポップ・ブームの火付け役の一角を担う吉田美奈子、そしてハイ・ファイ・セット、佐藤博のアルファ・ミュージック時代の作品群が、まとめて全世界配信ストリーミング・サービスにアップされた。アルバム単体としては既にアップされていたモノもあったと思うが、これだけドカッとくると、流石にヤラレた感がある。

そこで取りい出したるは、吉田美奈子『MONSTER IN TOWN』(81年)。当時『MONOCHLOME』や『愛は思うまま』は既に聴いていたけれど、彼女のアルバムで初めて、出たばかりのホヤホヤの新作として接したのがコレだったと記憶する。一番聴きこんだのも、やっぱりコレと次の『LIGHT'N UP
だったな。

圧倒的なパワーで空間を捻じ曲げてくる<Town>、狂おしいほどの情感が迸る<Lovin' You>あたりがフェイヴァリットだけれど、とにかくどの曲も濃厚本仕立て。P−ファンク・テイストの<Monster Stomp>は個人の嗜好的にはトゥ・マッチだけど、当時の女性シンガーでこんなコトを演っちゃう人は皆無だった。ベースの岡沢章さんが実は歌もウマい、と知ったのは<Knock Knock>がキッカケだった。

これまでにカナザワは、再発やコンピなどで、直・間接的にアルファ音源を取り扱うチャンスに恵まれてきた。でも、今までの実情を多少なりとも耳にしているだけに、オフィシャル・サイトにある「アルファミュージックが権利を持つ全ての音源を世界に配信していけるよう準備を進める」という言葉に、ホントにできるの!?と眉唾に思えてしまう。もちろん大いなる期待は寄せている。けれど、かつてアルファ・レコードとして独立していた頃に発売されていたCDが、ずっと塩漬けになっていて再発しようにもできない状態だったり、アルファ・インターナショナルがまるで手付かずだったり、していたのだ。それをクリアにできる(できた)のだろうか? ソニー側から優秀な人材が送り込まれたかな?

でもまぁ、サイトを見れば分かるように、そのあたりはまだ先の話。とりあえず今回は、美奈子さん、佐藤博、ハイ・ファイ・セットの3組で、計20枚くらいのオリジナル・アルバムが配信されたことになる。既にCDではすべてリイシュー済みだけれど、これから外出自粛の Stay Home Week だから、コレを順に聴いていくだけでも、たっぷり時間を費やせそう。もちろん財布に余裕のある方は、フィジカルでどうぞ。

アルファ・ミュージック ALFA50