jess roden band live

今回はちょっと渋好みで、英国ブルー・アイド・ソウルの名シンガー率いるジェス・ローデン・バンド。このところの韓国Big Pinkは、着々とジェス・ローデン周辺の紙ジャケCD化を進めていて、ソロになる前に参加していたブロンコなどもリイシュー。ジェス・ローデン・バンドは先に76年の1st『KEEP YOU HAT ON』が再発されていたから、これで残るは2ndの『PLAY IT DIRTY...PLAY IT CLASS』だけになった。この2枚目は20年くらい前に一度だけCDになっていたが、知るのが遅くて既に入手困難。アナログ盤が持ってるけど、こちらも心待ちにしているところだ。

さて、このジェス・ローデン・バンド。元々はジェスがアラン・トゥーサンのプロデュースで発表した『JESS RODEN』(74年)のプロモーション・ツアー用に組まれたもので、ホーン入りの6人組としてアルバムを出していたイグアナというバンドをそのまま召し上げている。そしてステージを通じて互いの相性の良さを感じたのだろう、そのまま合流して活動することになり、ジェス・ローデン・バンドを名乗るようになったに。途中、空席だったkydも補充。3枚目のアルバムとしてリリースしたのが、このライヴ盤『BLOWIN'』である。

収録曲はほぼ前2作からだが、とにかくビックリするほど熱気ムンムン。ジェスというと、ロバート・パーマー、フランキー・ミラーと並んで英国ホワイト・ソウル・シンガー御三家として知られるが、実力はともかく、他の2人に比べるとキャラが地味。だからソロで演るよりも、バンドを従えて歌った方が華が持てる。それが如実に感じられるパフォーマンスなのだ。ちなみにベースは、後に女性シンガーのジャッキー・ホイットレンとデュオを組むジョン・カートライト。2人はAORユニットとして『RHYTHM HYME』(82年)を出し、夫婦デュオとして活動した。

なおこの盤には、USとUK盤の収録曲に違いがあって、今リイシューのベースになったUS盤では、1stで歌っていたイーグルスのカヴァー<Desparade>が未収。代わりにテンプテーションズのカヴァー<Can't Get Next To You>が入っている。どうせなら両方入れちゃえばよかったのに…。ちょいとそこだけ残念だが、まずはチェックしておきたいCD化だ。