soul partners

時間的余裕がない中で気分転換したくて、何となく手が伸びた未聴CDの山から、アル・ハドソン&ザ・ソウル・パートナーズの2in1。CD化されたのは、去年の暮れ頃だったかな? 1st『ESPECIALY FOR YOU』(76年)と2nd『CHERISH』(77年)で1枚、3rd 『SPREADING LOVE』(78年)と4th『HAPPY FEET』(79年)で1枚と、2枚の2in1が英Expansionで復刻。これはソウル・パートナーズの後継グループであるワン・ウェイが、超久しぶりのニュー・アルバム『NEW OLD SCHOOL』を同レーベルから出したことと連動していたようだ。

一時ワン・ウェイにハマった時期のあるカナザワとしては、当然4枚の中に知っている盤もあって。だからCDが出たという情報でそれを即買いしつつ、実際に届くと、“後で聞く” ヤマに入れてしまってスッカリ放置プレイ。でもこうして手に取ると、いろいろ思い出すモノがあり、仕事の手が止まってしまった。

…というのも、この3作目『SPREADING LOVE』は、かのギャリー・グレンがキー・パーソンになっていたのだな。ギャリーはアニタ・ベイカーの出世作『RAPUTURE』のタイトル曲<Caught Up In The Rapture>で名を上げたシンガー・ソングライターで、2枚のソロ作、インディ発信の『GG』(80年)と大手モータウンから出た『FEELS GOOD TO FEEL GOOD(87年)をリリースしている。黒人なのにAORっぽい都会派の楽曲を描く人で、AORファンにも注目された人だ。

そのギャリーがキャリア初期に関わったのが、このソウル・パートナーズだった。同じデトロイト繋がりだろう、まず 2nd『CHERISH』で1曲だけアレンジで関わり、この『SPREADING LOVE』では4曲、楽曲提供してプロデュースまで手掛けている。イヤァ〜、すっかり忘れていたわ。もっともアルバムとしては そう抜きん出たシロモノではなく、ワン・ウェイへと脱皮する前哨戦的な次のアルバム『HAPPY FEET』の方が印象に残ったりする。けれどギャリー提供のバラード<Lost Inside Of You>はかなりの味わい。

当時ワン・ウェイに入れ込んだのは、定評のあったファンクではなく、バラードの良さに魅せられて、だった。看板のアル・ハドソンはもちろんだけど、デイヴ・ロバーソン(g)やケヴィン・マッコード(b)もイイ仕事をしている。おそらく『HAPPY FEET』に楽曲提供したアリシア・マイヤーズがバンドに迎えられることになって、ソウル・パートナーズがワン・ウェイへと進化を遂げたのだろう。ソウルの大家:鈴木啓志さんには、「アルバムを出すごとに普通になる」なんて書かれてしまったソウル・パートナーズだけれど、クロスオーヴァー・スタイルを支持するカナザワには、その方が好みだったりするんだよな…