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びっくりニュース メンバー内でイザコザが起きて、オリジナル・メンバーであるベースのロス・ヴァロリーと、全盛期のドラマー:スティーヴ・スミスを訴えていたジャーニーが、新メンバーとしてナラダ・マイケル・ウォルデンとランディ・ジャクソンの加入を発表した。この新しいラインナップは、5月23日に米MSNBCで放送されたユニセフUSAのヴァーチャル・イベント『UNICEF We Won't Stop』に各自宅からリモート出演、<Don't Stop Believin'>を披露している。

ランディ・ジャクソンはオーディション番組の元祖『アメリカン・アイドル』で長年ジャッジを務めた音楽プロデューサー/ベース・プレイヤー。ジャーニーには85年から87年までサポート・メンバーとして関わり、86年作『RAISED ON RADIO』とツアーに参加している。そのランディが一介のセッション・プレイヤーだった時に参加していたのが、ナラダ・マイケル・ウォルデンのグループ。ナラダといえば、マハヴィシュヌ・オーケストラで頭角を現したジャズ・ドラマーだけれど、ジェフ・ベックの『WIRED』でロック方面にも知名度を上げ、その後ヴォーカルも取るようになってブラック・コンテンポラリー系の快作を連発。プロデューサーとしてホイットニー・ヒューストンやアレサ・フランクリン、シャニース、スターシップ、高中正義らを手掛けた。9o年代には "JT Sper Producers"の看板に選ばれ、日本武道館で大きなイベントを開いている。

そんなベテラン名コンビを迎えたワケで、ちょっとジャーニーには大物すぎるような…。特にナラダは、プロデューサー的スタンスに立ちつつ、ジャズもファンクもロックもできちゃう人なので、フォーマットが出来上がってしまっているジャーニーにドラマーとして参加するには、ちょっと窮屈じゃないか?と思うのだ。もっともナラダもランディも最近は表舞台に出るような仕事をしてないので、意外に二つ返事でOKしたのかもしれないけど…

それにしても、イーグルスといいジャーニーといい、せっかく往年のメンバーが中心になってリユニオンして成功したのに、また揉めて、バンドとして堕ちていくのは見るに忍びない。理由はどうあれ、詰まる所は、中心メンバーに金銭や運営が牛耳られてしまって、脇役メンバーが異論を唱えるも聞く耳持たれず…という構図だろう。そこがバンドの難しいところだけれど、あまりクリエイティヴな理由ではないのが悲しいな。

で、上掲『VICTORY』(80年)は、ランディがいた頃のナラダのアルバム。レギュラー・バンドのサックスはイエロージャケッツや再編ドゥービー・ブラザーズで活躍したマーク・ルッソ。ギターはナラダも絡んだオランダのプログレ・バンド:NOVA 出身のコーラッド・ルスティッチ。まだ無名だったエンジニアのボブ・クリアマウンテンも、ナラダのアルバムのブレーンだった。当時のカナザワは、ナラダといえばジャズ・フュージョンのドラマーという印象だったが、それを「クインシー(ジョーンズ)やジョージ・デュークみたいにブラック系サウンド・クリエイターとして面白いことをやってるぜ」と教えてくれたのは、そう、まだデビュー前の角松敏生であった。

さて、この新生ジャーニー、コロナが治ればツアーに出るんだろうけど、アルバムは作るのか? このメンバーで、ナラダたちのアイディアも取り込んでマジにアルバム作ったら、それはそれで面白くなりそうではある。

なお下に貼ったユニセフのパフォーマンスには、サポート・メンバーのジェイソン・ダーラトカ(kyd,cho)Jason Derlatka)も参加。改めてアーネル・ピネダのスティーヴ・ペリー成り切りぶりはスゴいな…