tatsuro_popin time

コロナ禍でライヴ文化を絶やすな!ということで、昨日のカーティス・メイフィールド、ダニー・ハサウェイに引き続き。…といったら、日本じゃこの方しかいないだろう。山下達郎 78年のライヴ名盤『IT'S A POPPIN' TIME』。“あれ、『JOY』じゃないの?”と仰る方もおられようが、ココは敢えて『POPPIN' TIME』じゃなきゃならない、と思うのだ。

それはこれこそが、70年代の古き良き時代のライヴ・アルバムのあり方を象徴しているから。もちろん、ダニーもカーティスも同じパターンで、だからこそ歴史的ライヴ盤と言われていると考える。

その共通点は、すなわち必要最低限のバンド・フォーマットであること。ベスト・パフォーマンス集ではなく1度のショウのパッケージがベースであること、ライヴ・ハウスなど小箱での収録であること、など。その上で歌や演奏のパフォーマンスの質、オーディエンスのリアクションや空気感などが求められる。ライヴは生モノ、と言われる所以だ。

しかも達郎さんの場合、RCA/AIR YEARS とそれ以降、作品でいうと『MELODIES』で楽曲のニュアンスが変わった。達郎さんとバンドの距離が離れた、といったら良いだろうか。『FOR YOU』までは緻密なバンド・サウンドと極限まで一体化した達郎さんがいたのに、『MELODIES』からはあくまでヴォーカル・フィーチャーで、バックへの依存度が低くなった。アルバムでは多重録音で作ってしまう部分が増えたし、
SUNDAY SONGBOOKも自前ライヴの蔵出し音源のお披露目が続いていて、メチャメチャ貴重な音源もあったりするけど、噂の『JOY 2』はいつになったら出るのやら。