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また訃報が届いた。ニューヨークのロック系セッション・ギタリスト、ボブ・キューリックが28日に逝去。彼の実弟でやはりギタリストのブルース・キューリックがSNSで発表した。享年70歳。一般的には、キッスやミートローフ、ルー・リード、W.A.S.P.との仕事が有名。キッスとは結成時のギタリスト・オーディションに参加した縁があり、結果エース・フレーリーが選ばれたが、ギター・プレイだけならボブが選ばれてしかるべきで、実際ポール・スタンリーのソロ・アルバムに参加したり、『ALIVE II』のスタジオ曲でギターを弾いたりした(エース自身の楽曲を除く)。少し間が空いて弟ブルースがキッスの正式メンバーになるなど、繋がりは深い。

カナザワが彼の名を意識したのは、多分ダイアナ・ロス『WHY DO FOOLS FALL IN LOVE』(81年)が最初。ブラック系のアルバムでハード・ロック・ギターを披露した点では、マイケル・ジャクソン<Beat it>のヴァン・ヘイレンより早かった。それから間もなく上掲バランスがデビューして、「このスキン・ヘッド知ってる」と。弟のブルースが出てきた当初は、どちらも "B.Kuliuck" で混同したけれど、兄弟一緒の時はフルネームの Robert Kullick を名乗っていたようである。バランスは<Breaking Away>が全米22位と幸先の良いデビューを飾り、一部で “西海岸のTOTOに対する東海岸からの回答” 的な扱いを受けた。中心人物のペピー・カストロがブルース・マグース、アレッシー兄妹も一緒だったバーナビー・バイの出身だったというのは結構マニアックな話題だが、サポートするリズム隊がアンデイ・ニューマークとウィリー・ウィークスというのは、それなりに注目された。けれど2枚目のアルバムではロック色が濃くなり、ヒットが続かず解散の憂き目を見ることになった。

そのバランスが突然、27年後の09年になってオリジナル・メンバー3人で復活し、伊 Frontierから『EQUILIBRIUM』を発表。産業ロックというよりメロディック・ロックに近づいて賛否が分かれた(当時のポストはこちら)が、これも単発で終了している。本領を発揮できないままの訃報は、ちょっと残念なだ。

Rest in Peace...