king crimson_poseidonkeith tippett
IN THE WAKE OF POSEIDON / KING CRIMSON
KEITH TIPPETT / BLUE PRINT

英国ジャズ〜ジャズ・ロック・シーンを代表するピアノ奏者キース・ティペットが亡くなった。ティペットは18年に心臓発作と肺炎の合併症を患って闘病生活に入り、奥様ジュリー・ドリスコールやロバート・フリップをはじめとする音楽仲間たちが闘病支援を募っていたが、その声も残念ながら届かなかった。享年72歳。

キース・ティペットは英ブリストル生まれ。60年代末に拠点をロンドンに移し、自らのグループを率いて、主にフリー・ジャズ方面で活躍してきた。並行して70年代初頭にはロバート・フリップと接近。キング・クリムゾンへの加入を打診されるも、それを固辞する一方で、ゲストとして協力。『IN THE WAKE OF POSEIDON』『LIZZARD』『ISLAND』の3枚に参加し、その驚異的演奏で注目を集めた。フリップに与えた影響の大きさは、ある意味、一部の正式メンバー以上のモノだっただろう。

71年には、ジャズやロック、クラシックなどから50名前後のプレイヤーを集めた一大ビッグ・バンド:センティピードの2枚組大作『SEPTOBER ENERGY』を発表。フリップにプロデュースを委ねている。それを機に、俗に言うティペットの “フリー・ジャズ3部作” が始まるが、上掲右はその2作目で、キース・ティペットの初めてのソロ名義による『BLUE PRINT』。この72年作もまた、フィリップ翁のプロデュースだ。ちょうどこの2枚は昨年暮れに紙ジャケットでリイシューされたばかりなので、今なら手に入れやすい。ただしフリー・ジャズなので、クリムゾン的なモノを求めると落胆することになりかねないが…

ティペットがクリムゾンにゲスト参加した『IN THE WAKE OF POSEIDON(ポセイドンのめざめ)』は、伝説的名盤『IN THE COURT OF CRIMSON KING(クリムゾン・キングの宮殿)』に続く70年発表の2nd。そこでやたらとアヴァンギャルドでフリーキーなティペットのピアノを初めて聴いて、フリー・ジャズの存在を知った。それはまだカナザワが幼気な中学生だった75年頃の話。よく分からないけど、なんかスゲェ…と思ったのを覚えている。

元々ソフト・マシーン人脈にも近かったことから、数年前にはソフト・マシーン・レガシーのスペシャル・ゲストとして来日公演を行なっている。一時カンタベリー系のジャズ・ロックにハマりかけたことがあるカナザワだが、あまり深入りしなかった。奥様ジュリー・ドリスコールは、初期ブライアン・オーガーでもお馴染み。一緒に活動していた時期もあるから、さぞ悲しんでいるだろう。

Rest in Peace...