rory garagher live 77

伝説のギタリスト:ロリー・ギャラガーが77年に行なった英国ツアーの未発表ライヴ・アルバム『CHECK SHIRT WIZARD - Live In '77』(CD2枚組)を聴いた。ロリーのライヴの素晴らしさは、ロック・ファンには定評のあるところで、『LIVE IN EUROPE』(72年)、『IRISH TOUR '74』、『 STAGE STRUCK』(80年)といった好ライヴ盤を残しているし、ソロになる前、テイスト時代の『LIVE AT THE ISLE OF WIGHT』と『LIVE TASTE』の2枚も実に熱〜い実況盤で、忘れがたい存在になっている。エゴのぶつかり合いになるクリームのステージに比べ、テイストのライヴはケレン味のない直球勝負。それはロリーの人柄そのものだった。

実際、76年の好盤『CALLIG CARD』のリリース後の、ロンドン、ブライトン、シェフィールド、ニューカッスル各公演で録られたこのライヴも、ギミックなしの小気味良さ。トレード・マークのようなチェックのシャツをタイトルにしているあたりも、ロリー・ファンならニヤリとする。この時期は、少しコマーシャルになった、なんて評する向きもいるが、逆にステージングが熟れて完成度が高いという人も。『IRISH TOUR '74』よりデキがイイなんて声もあるから、これは要チェックだ。

な〜んて書きつつ、入手がちょっと遅れたのは、最初に新しいライヴ・アルバムが出ると知った時、「あー、またラジオ局流れのハーフ・オフィシャルか…」と勘違いしてしまったから。最近メチャクチャ多いでしょ? その手のライヴ・アルバム。大手ショップのメルマガで案内されてくるライヴCDの十中八九はこのパターンで、カナザワは基本的にそのタイプのCDはスルーとキメ込んでいる。国内盤なら確かにJASRACを通しているかもしれないが、元々オンエア用に録られた音源だから、こうしてメディア化されて発売されることを、アーティストやマネージメントは想定していないはず。だからハーフ・オフィシャル=セミ・ブートレグ。当然のことライヴの音質的にも問題あるシロモノが多い。

現にこういうのがまかり通っている時に、ユニバーサルがCHESSの看板で送り出した本盤のように、歴としたオフィシャル音源が出てくると、その作品としてのクオリティの差に愕然とさせられる。95年に逝ってしまったロリーだから、演奏の手直しなど一切ないが、彼のファミリーがシッカリと監修しているから、多くの人が納得できるレヴェルのプロダクツしか出てこない。ちょっとした写真集とか、関係者のコメントとか、資料も充実している。だからこそのオフィシャルだ。

もちろん、かくいうカナザワも、自分が観に行った時のライヴとか、ゲストなどスペシャルな瞬間を捉えたモノとか、セミ・ブートと知りつつ手を出してしまうコトだってなくはない。でも、ドキュメント以上の満足感は得られないのが常。よほど入れ込んでいるアーティストでないと手は出さない。アーティストに罪はないけど、小賢しい中間業者が増えている昨今なので、ユーザーが利口になって商品を見極めないと。しかしコレって、国内盤出ないんだねぇ。