emmit rhodes

ポール・マッカートニーについてアレコレ思いを巡らせて原稿を書いたばかりだというのに、そのタイミングでこの人の訃報に触れるとは…。ひとりビートルズ、新しいポール・マッカートニーと謳われた宅録ポップ才人エミット・ローズが、7月19日、就寝中に亡くなった。16年にローズが43年ぶりのニュー・アルバム『RAINBOW ENDS』を発表してでカムバックした時のパートナー、クリス・プライスが明らかにしたそうだ。享年70歳。

エミット・ローズは米イリノイ州ディケーター生まれ。60年代にいくつかのガレージ・ロック・バンドでプレイした後、自らのバンド:Merry-Go-Roundで67年にデビュー。70年にダンヒルから上掲アルバム『EMITT RHODES』でソロに転じ、プロデュース、作編曲、演奏、録音まですべて一人でこなして高い評価を受けた。ミックスのみカート・ベッチャーとキース・オルセンが担当。この時期 Merry-Go-Roundのアルバム未収曲やデモ音源、グループ解散後にエミットがソロで録音していた音源を集めた編集盤『THE AMERICAN DREAM』が出ている。それに続いて71年に『MORROR』、73年には『FAREWELL TO PARADISE』をリリース。しかし当時の契約が、半年に1枚アルバムを出す、という厳しい内容だったため、ワンマンでアルバムを作る彼は契約を履行できず、訴訟問題に発展。嫌気が差したエミットは、それを最後に表舞台から身を引き、40年以上も隠遁生活を送ることになった。

ポールに喩えられることが多いエミットだが、その作風はカリフォルニアの陽光を感じさせる明るいもの。流石にポールほどの多彩さはない一方、同じ宅録系でもトッド・ラングレンよりはずっと繊細かつ緻密に構築され、日本でいうソフト・ロックとUSでいうソフト・ロック(ブレッドとかシールズ&クロフツ、アメリカとか…)を掛け合わせたような、プレAOR的響きを持っていた。ポップでパイロットみたいな<Fresh As a Daisy>は、全米54位とシングル・ヒットを記録している。

Rest in Peace...