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20:00からスタートした角松敏生 Performance “SUMMER MEDICINE FOR YOU 2020” 有料配信ライヴに、仕事場の21.5 inch MACから参戦。スーパー・ウーハー付きのミニ・スピーカーも繋がっているので、そこそこの音質で楽しめる。当初は EAR PLAY TOUR が飛んでしまった代替企画かと思っていたら、そうではなく夏恒例の音霊公演の代わりとか。とはいえ、BlueNoteTokyoでの収録というコトで、音魂にはいない山本真央樹クン(ds)を入れてのクインテットでのステージ。来月2日までアーカイヴ映像が観られるそうだが、角松本人がチャットしながらのVJするのは、本放送のみ。24時間後スタートというアーカイヴはライヴ映像のみになるが、代わりにステージMCあり、とのコトで、どこまでもサーヴィス精神旺盛なヤツである。

生のライヴができない、やっても諸々条件付き、というコロナ禍の現在、多くのアーティストが無観客ライヴを生配信して課金するスタイルを選択している。でも角松は生配信に疑問を呈し、数日前に収録した映像を編集し、それを流す方法を取った。トークでもチラリと話していたが、現在の配信ハードのクオリティ、そして映像的クオリティの問題から、生配信にはあまり意味を感じない、という話のようだ。そのクセ、来月にはライヴ・ヴューイングにトライするという。一見矛盾のようにも感じるが、ライヴ・ヴューイングならオーディエンスのネット環境に左右されることがなく、全国同時にライヴが楽しめるという意図らしい。

先日ジャンク フジヤマの久々のライヴを観て感じたコトの繰り返しになるが、ライヴはやはり「体験」であり、その場にいることが肝心。対して配信は、聴く人それぞれの環境があり、共有できない部分が多い。そうした距離感ゆえに、ただの「鑑賞」になってしまう。そのギリギリの妥協点がライヴ・ヴューイングなのだろう。大きなライヴ、重要ポイントのライヴでは、観られなかったファンのために映像作品を作ってきた角松だから、今後はそこに生配信が加わる可能性はあるだろう。でもきっと、そういうイベント性のあるものだけに限るだろうし、生ライヴを演りたい、その価値を尊いと思っているからこそ、「お前と俺」のような小ツアーで四苦八苦しながら全国津々浦々を巡っているのだ。そして「鑑賞」されてしまうなら、オンエアする演奏内容にもシッカリとコダワり抜きたい、そういうことではないかと思う。アーティストとしては、多少のミスには目をつぶって生ライヴをそのまま配信に乗せてしまった方が遥かに楽なはずだし、画面越しでもそうしたライヴ感を有り難がるリスナーは少なくない。

当人も繰り返して言っていたが、これはコロナ禍がもたらした壮大な実験である。異論反論や多少の失敗含みで、カドマツが一番良いと思えるコトを形にしているのだ。もちろん演奏内容はいつもの角松クオリティ。イヤ、実質スタジオ・ライヴみたいなモノだから、普通の公演以上に丁寧に、気を使ってプレイしていたかもしれない。ホールだったら、エンディングの余韻なんて拍手で掻き消されてしまうけれど、無観客となれば、完全に無音状態になるまで記録される。例えば、いつもは飛行機飛ばしに夢中な<Take You To The Sky High>で、森俊之があんなに凝ったステキなピアノのオブリを差し込んでいたこととか、初めて気づいた人だって少なくないだろう。角松自身、前振りで「皆さん、お部屋で観ると思うので、ミックスには気を使った」と言っていたけれど、つまりはそういうコトなのだ。そういやチャットでも、「メンバー5人なのに、どうしてホーンの音が鳴っているの?」と質問が来ていたけれど、どこまでが生演奏で、何がPCの同期の出音なのか、生ライヴでは視覚に捕らわれて意識の行かないところに耳が届く、こういうシビアさがある。まして映像作品のようにスタジオ・ワークに時間もかけられず、収録後は編集で終わっただろうから、分析的に聴く面白味も多々あった。

2日までアーカイブがあるそうなので、セットリストは書かないでおくが、音霊代わりの SUMMER MEDICINE企画なので、やはり初期の夏楽曲多数。オールド・ファンが楽しめるセレクトになっていた。<夜の蝉>だったか、「こんな曲も書けるようになったんだな…」という上から目線のチャット投稿があったが、しばらく離れていた往年のファンが久々に帰ってくるキッカケにもなったらしい。そうした意味では、このような配信ライヴの手軽さも、ひとつのキッカケは成り得る。

8月のライヴ・ヴューイング、メイン公演のZEPP TOKYOは都内在住のファン・クラブ会員限定で抽選、しかもこのコロナ禍だから、シート定員1200の半分以下の動員になるだろう。でも還暦祝いのイベントでコレ。スタッフも一緒になって知恵を絞り出してのトライアル、まったく頭の下がる思いです。

……ってか、角松が8月で還暦なら、オレもすぐ後追いするんぢゃん…