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AOR方面ではアル・サニーやアンドレ・ソロンコ、それにブラジルのAOR旗手ルーカス・アルーダなどを精力的に輩出しているフランスの新興レーベル:Favorite Recordingsからの新作は、モダン・ディスコ〜極上都市型ファンクのプロジェクト、ミスター・プレジデントの3rdアルバム『ONE NIGHT』。本国ではアナログとデジタル・リリースのみだが、日本ではボーナス曲3曲を追加して独自にCDリリース。そのうちの1曲<I Get So Crazy>は、feat. Yuma Hara で T-Groove Remix。昨日 facebookにアップした ショップ回りで、 T-Groove たちが Yuko I.(aka 今井優子)と一緒に手にしていたのはコレでした。

このミスター・プレジデントは、Uptown Funk Empire、The Dynamics、Metropolitan Jazz Affairなど、90年代から様々な名義を使い分けつつ活動を展開してきた フランス人プロデューサー/DJ/ミュージシャン、“Patchworks" ことブルーノ・オバール(Bruno Hovart)のプロジェクト。解説も書いている T-Groove によれば、フランス流のメロウでシックなディスコ・サウンドに、ラテン・タッチのパーカッシヴなカリビアン・サウンドとジャズ・ファンクのフィーリングをミックス。 人間味のあるライヴ・サウンドを創り出しているという。現行モダン・ディスコの主流であるタキシードやクール・ミリオンのような80年代風のシンセサイザー中心のディスコ・ブギー・サウンドとは、シッカリ一線を画しているワケだ。カナザワ的には、6年ぶりの新作というこの『ONE NIGHT』が初ミスター・プレジデントなので、過去2作の音など知る由もないが、なるほどコレを聴くだけでもこのプロジェクトの特徴は伝わってくる。

同じディスコ物でも、US産のダンス・クラシックは音数多めでコッテコテ。でもこのプロジェクトの音創りは、隙間を生かした引き算仕様だ。だから<Teasing Me So Bad>のように、クールなヴィブラフォンのトーンが気持ちよく響く。ビートは確かに4ツ打ちのディスコ・パターンだけれど、そこに絡む選りすぐりの楽器が有機的に機能して、程よくシンコペイトして聴こえる。だからダンサブルであってもインテリジェント。そこがさすがフランス産だと思うのだ。他にもレトロ・キャッチーな楽曲とかハウス寄りのナンバーとか。個人的にはボーナス・トラックのカヴァー<Feel Like Makin' Love>がイイ感じ。T-Groove リミックス<I Get So Crazy>では、ユウマ君のジョージ・ベンソン張りの甘美なギターをフィーチャーしている。

モダン・ディス好きは要チェック。