
庄野真代のニュー・アルバム『66』を聴き、鈴木雄大提供曲<愛のうた>の素晴らしさに魅せられて、「アッ


シンガー、そしてソングライターとして高い評価を受け、ブレバタのようなベテラン勢のサポートでも活躍している雄大さん。More Than Paradise、UB(with 堀川満志)、天才トノサマBAND、A,M,S&I(安部恭弘、村田和人、伊豆田洋之)、ZEBRA ONE、Yellow Panther(with 庄野真代)、SACHA KNITZ(岩沢幸矢、杉真理、平澤成基+遠藤響子)等など、手を替え品を替えて様々なバンド、ユニット、プロジェクトで音楽活動を行ないながら、ここ数年はゴールデン☆ベストが組まれたり、カナザワ監修で初期作品がリイシューされたりしていた。でもコレが、全曲書き下ろしによるソロでのニュー・アルバムとなると、かなりビックリ、16年ぶりのオリジナル・アルバムになるのだとか。
収録曲は、デビュー前に作ったものから昨年書いたばかりという曲まで、選りすぐりの全14曲。真代さんにあんな名曲を差し上げてしまうのだから、多少歳は喰っても(ただしカナザワより1歳上なだけだけど…)、その曲作りの才は何ら衰えていないのは分かっている。ただ何でも器用にこなしてしまう人だけに、その才能の発露をシッカリ絞り込めているか、言葉は悪いが 器用貧乏に終わっちゃいないか、心配はそこだけだ。16年ぶりのオリジナル新作となれば、気持ちも入ってるだろうし、演りたいこと・試したいことがいろいろ募っているはず。着手してから、かなり時間が掛かっているのも知っていた。でも充分なキャリアを積んでいても、自分をコントールできる人は案外少ないものなのだ。
でもそれは杞憂だった。誰もが飛びついて絶賛するような作品ではないけれど、職人あるいは音楽の匠らしく、シッカリ地に足がついた、滋味豊富な仕上がりである。レコーディングに参加したサポート陣は、鳥山雄司、森俊之、告井延隆/細井豊の現/元センチメンタル・シティ・ロマンス勢、窪田晴男(パール兄弟)、遠藤響子、伊豆田洋之、等など。作詞でサエキけんぞうもヘルプしているし、作曲のアドヴァイザーとして杉真理のクレジットも。全体としては、バンド録音1/3、あとは雄大さんが楽器を持ったり打ち込みを使いつつ、そこに誰かがダビングを施すようなスタイル。この豊富な人脈が、雄大さんの音楽性の高さと人柄を象徴している。今風にいえばシティ・ポップそのものだけど、もう少し説明すると、AORと80's ブラック・コンテンポラリーを中心に、もう少しオーセンティックな70'sクラシック・ロック・テイストも入っている。分かりやすく言えば、バランスの人。
唯一、<そんなやり方>という曲だけが、鳥山雄司がすべてのオケを作ったクワイエット・ストーム調のミディアム・スロウだ。でもサスガ鳥山さんだけあって、ニュー・ジャック・スウィングのハネるグルーヴをモタる寸前まで落とし込み、今ドキのフィーチャー・ジャズを思わせるリズム・トラックを作っている。それでいて、昨今のヒップホップ・ソウルとは一線を画すスタイルに仕上げているのが面白い。エムトゥーメイみたいな妖しさもある。このあたり、ベテラン同士の阿吽の呼吸かしらね?
バラエティ感はありつつも、何処か自己抑制も効いている。程良くやんちゃでも、度の過ぎたバカはやらない、というのも雄大さんらしいところ。そうした面にカナザワは、僭越ながら、何やらシンパシーを感じてしまう。時々思い出したように聴くという、これから長い付き合いになりそうなアルバムです。
収録曲は、デビュー前に作ったものから昨年書いたばかりという曲まで、選りすぐりの全14曲。真代さんにあんな名曲を差し上げてしまうのだから、多少歳は喰っても(ただしカナザワより1歳上なだけだけど…)、その曲作りの才は何ら衰えていないのは分かっている。ただ何でも器用にこなしてしまう人だけに、その才能の発露をシッカリ絞り込めているか、言葉は悪いが 器用貧乏に終わっちゃいないか、心配はそこだけだ。16年ぶりのオリジナル新作となれば、気持ちも入ってるだろうし、演りたいこと・試したいことがいろいろ募っているはず。着手してから、かなり時間が掛かっているのも知っていた。でも充分なキャリアを積んでいても、自分をコントールできる人は案外少ないものなのだ。
でもそれは杞憂だった。誰もが飛びついて絶賛するような作品ではないけれど、職人あるいは音楽の匠らしく、シッカリ地に足がついた、滋味豊富な仕上がりである。レコーディングに参加したサポート陣は、鳥山雄司、森俊之、告井延隆/細井豊の現/元センチメンタル・シティ・ロマンス勢、窪田晴男(パール兄弟)、遠藤響子、伊豆田洋之、等など。作詞でサエキけんぞうもヘルプしているし、作曲のアドヴァイザーとして杉真理のクレジットも。全体としては、バンド録音1/3、あとは雄大さんが楽器を持ったり打ち込みを使いつつ、そこに誰かがダビングを施すようなスタイル。この豊富な人脈が、雄大さんの音楽性の高さと人柄を象徴している。今風にいえばシティ・ポップそのものだけど、もう少し説明すると、AORと80's ブラック・コンテンポラリーを中心に、もう少しオーセンティックな70'sクラシック・ロック・テイストも入っている。分かりやすく言えば、バランスの人。
唯一、<そんなやり方>という曲だけが、鳥山雄司がすべてのオケを作ったクワイエット・ストーム調のミディアム・スロウだ。でもサスガ鳥山さんだけあって、ニュー・ジャック・スウィングのハネるグルーヴをモタる寸前まで落とし込み、今ドキのフィーチャー・ジャズを思わせるリズム・トラックを作っている。それでいて、昨今のヒップホップ・ソウルとは一線を画すスタイルに仕上げているのが面白い。エムトゥーメイみたいな妖しさもある。このあたり、ベテラン同士の阿吽の呼吸かしらね?
バラエティ感はありつつも、何処か自己抑制も効いている。程良くやんちゃでも、度の過ぎたバカはやらない、というのも雄大さんらしいところ。そうした面にカナザワは、僭越ながら、何やらシンパシーを感じてしまう。時々思い出したように聴くという、これから長い付き合いになりそうなアルバムです。