graham gouldman 020

20年目のディスクガイド『AOR Light Mellow Premium 01』、いよいよ大詰め。いま2度目の著者校正中です。これを早朝までに上げて、その後印刷所に入稿予定。諸々あって遅れましたが、9月中旬〜下旬には店頭に出せるかなァ〜。自分の手を離れたら、当面の仕事をやっつけつつ、早速 続編『Premium 02』の準備にも入らないと。予定では3冊でひと組ですから

さてココでは、昨日はアンドリュー・ゴールドのBOXを紹介したので、今回はタイミングよくリリースされた元相方グレアム・グールドマンのニュー・アルバムを。大西洋を越えて共にビートルズ・フリークという絆で結ばれていた2人は、グレアムの10cc活動停止後にコンビを組み、ワックスとして3枚のオリジナル・アルバムを発表。昨年も蔵出しのライヴ映像/音源がリリースされた。アンドリューが亡くなった後、グレアムは一人で10CCの看板を背負ってツアーを再開(後期メンバーが一部参加)し、それ以降のソロ・アルバムもこの新作で3作目(通算6枚目)となる。しかも、割とサクッと曲を書いてミニマムな形で完成させてしまっている印象のあるグレアムにしては、結構丹念に作り込んだというか、チカラが入っているというか…。

ご存知の人もいると思うが、実はグレアム、18年にリンゴ・スターから招待され、彼のオールスター・バンドのヨーロッパとアメリカのツアーに参加したのだ。それを機にリンゴと親交を深めることになり、このグレアムのソロ作『MODESTY FORBITS』にリンゴがゲスト参加。オープニングに置かれた<Standing Next To Me>でドラムを叩いている。更にグレアムはバンドの他のメンバーとも仲良くなって、サポート・ドラマーのグレッグ・ビソネットも4曲参加している。

10cc時代からビートルズからの多大な影響を表出させていたグレアムだけど、やはりこのライヴ共演は彼にとって大事件だったのだろう。このアルバムのそこかしこにビートルズ・フレイヴァーが漂う。それに釣られてモチベーションが上がったか、収録曲すべてがクオリティ・アップ。多分に趣味的だった彼のソロ作のポジションが、ワン・ランクもツー・ランクも高くなった。職人ライターとして定評のある人だから、決して単純に売れセンに向かったワケではない。でもある意味でその気になったというか、火が点いたというか…。<Waited All My Life For You>なんて、前情報ナシに耳にしたら、「コレ、ジョージの未発表曲?」って訊いてしまいそう。ギターなんてモロだし。それこそジェフ・リンのお株を奪ってしまうほどの出来栄えだ。

それでもやはり最大のトピックは、<Standing Next To Me>だ。リンゴに呼ばれて共演した喜びがそのまま歌詞になっていて、思わずニヤリ。曲調もそれっぽいし、ビートルズ風の仕掛けもふんだん。コーラスの断片とか、テープの逆回しとか、グレアムのベースもポールっぽい。ビートルズのDNAではなく、そのままズバリの共演モノ。10cc時代の相方エリック・スチュワートはポールの『PRESS TO PLAY』でコラボしていたが、グレアムもようやく。きっと彼は真っ先に、雲の上のアンドリューにコレを聴かせたかっただろうなぁ。