edna wright

70年代初頭に活動していた女性R&Bヴォーカル・トリオ、ハニー・コーンのリード・シンガー:エドナ・ライトが、9月12日、カリフォルニア州エンシノの病院で逝去。慢性閉塞性肺疾患の持病があり、そこから心臓発作を起こしたようだ。享年76歳。ポップス・シーンで人気を得たダーレン・ラヴの妹でもある。

全米ヒットを飛ばしたハニー・コーンが72年に解散。エドナはしばしセッション活動に身を浸し、時期を待った。結果的にワン&オンリーとなった上掲ソロ作『OOPS! HERE I GO AGAIN』を出したのも、グループ解散から5年後の77年。しかも、夫であるグレッグ・ペリーがRCAと契約したのに連動してのソロ・キャリア再開(ハニー・コーン以前にサンディ・ウィンズ名義でのソロ活動がある)だった。

それでもエドナのソロ活動は鳴かず飛ばず。内容的には、ハニー・コーン時代にも通じる部分がある高水準のアルバムと言えるが、火か点いたのはレア・グルーヴ〜フリー・ソウルのブームから。プロデュース&アレンジも中心は言うまでもなくグレッグ・ペリーで、アンジェロ・ボンドやH.B.バーナム、マッキンリー・ジャクソン、そしてレイ・パーカーJr.が初期レイディオ人脈を率いて参加している。タイトル曲はデ・ラ・ソウルがサンプリング使用し、注目されるキッカケを作った。

ただ77年にしては、ややオールド・スクールなサウンドメイク。ハニー・コーンのパブリック・イメージ、ホット・ワックス〜インヴィクタス・スタイルを引きずったのか。当時のシングル曲<You Can't See The Forrest>など実にカッコ良いのだが、その時の時流を追った音であり、目前のニュー・ディケイトを睨んだディレクションではなかったと思う。もしこれでレイディオ一派がいなかったら、どうなっていたか…。後続がなかったのも宜なるかな。

でも再びセッションで歌うようになったエドナの行動範囲は、また別の意味で興味深い。例えば彼女がコーラス参加している作品を挙げてみると、ペギー・リー、ウェザー・リポート、ナンシー・ウィルソン、スタンリー・タレンタイン、ジーン・ペイジあたりからシェール、エルキー・ブルックス、ロバート・ジョン、ジョン・ヴァレンティ、キム・カーンズ、ロドニー・フランクリンなど、ジャズ・フュージョン系からブルー・アイド・ソウルなポップスまで、なかなか幅広い。エドナはハニー・コーン前からアンドレ・クラウチ/ビリー・プレストンらのゴスペル・クワイアで歌っていた人なので、R&Bのみならず、クロスオーヴァー志向が強いのだ。サスガにU2のアルバムにも参加していたのは驚くが。

Rest in Peace...