guitar of BN-LA

コレは何ともナイスなコンピ2枚組だ。ギター・マガジン10月号の特集記事『70年代。ブルーノートL.A.時代のギタリストたち』に連動するもので、当然ながらギター・マガジン編集部の選曲・監修。
『クロスオーヴァー前夜。ブルー・ノートはこんなにもメロウでファンキーだった…』

収録曲は、ザッと以下の通り。

Disc 1:
1. Gene Harris - Soft Cycles
2. John Lee & Gerry Brown - Mango Sunrise
3. Ronnie Laws - Fever
4. Chico Hamilton - Andy’s Walk
5. Alphonse Mouzon - Golden Rainbows
6. Gene Harris - Koko And Lee Roe
7. Earl Klugh - Slippin’ In The Back Door
8. Ronnie Laws - New Day
9. John Lee & Garry Brown - Rise On
10. Ronnie Foster - Some Neck
11. Robby Krieger - Gumpopper
12. Dom Minasi - R.K. Bossa
13. Carmen McRae - Only Women Bleed
14. Donald Byrd - Night Whistler
Disc 2:
1. Alphonse Mouzon - New York City
2. Donald Byrd - Makin’ It
3. Donald Byrd - Dance Band
4. Donald Byrd - Love’s So Far Away
5. Donald Byrd - Sister Love
6. Bobbi Humphrey - Baby’s Gone
7. Gene Harris - Beginnings
8. Waters - Sitting Here All Alone
9. Maxi - By Your Side
10. Marlena Shaw - Feel Like Makin’ Love

気づいた人も多いと思うが、この時期BN-LAには、アール・クルーとドン・ミナシ、元ドアーズのロビー・クリーガー以外にギタリストがいない。普通に皆さんが期待する、スタジオ・セッションでブイブイ言わせてたような、ジャズ・フュージョン系テクニシャンは皆無なのだ。だから Disc 1のギター・クレジットには、リー・リトナーやラリー・カールトン、ワー・ワー・ワトソン、マーロン・マクレーン、ジェイ・グレイドン、ジョー・ベック、ローランド・バウティスタ、ジョン・トロペイ、デヴィッド・スピノザ、バリー・フィナティ、トミー・ボーリン、レイ・ゴメス、レジー・ルーカスといった著名どころがズラ〜リと。その中でイーフ・アルバース、ジョン・ローウィンなど、「どこかで名前見たなぁ〜」くらいの人も。

対して Disc 2では、デヴィッド・T・ウォーカー参加曲だけをピックアップ。如何に彼がBN-LAに多大な貢献を果たしていたか、それを目の当たりにさせられる。ジャケットも73年頃のデヴィッド・T.。本来ブルーノート配下の人ではないので、アレみたいな感覚がナイではナイが、なるほどDisc 1を見ると、BN-LAにはギター弾き不在だったのが分かるから、なるほど…と納得できる。

でもこうしてみると、カールトンだのリトナーのソロ活動が全開になるフュージョン全盛期より、クロスオーヴァー黎明期の方が音楽的に遥かに面白いのが実感できる。いろいろなバックボーンが混ざり合い、火花を散らしながら鬩ぎ合う、その「何が飛び出してくるか分からない」感覚に醍醐味を感じるのだ。それがフュージョン全盛期は、もう様々なエレメントがひとつに融合していて、完成度を高めていく時期に当たる。そしてピークに達してしまえば、あとは拡大再生産のみ…。更に時間が経てば、緩やかに下降して行くのは当然の摂理だ。

だから、ブルーノートでもBN-LAが面白いように、プレスティッジでは7000番台や10000番台が当てはまるし、CTI/KUDUはもちろん、Groove Merchant、Fantasy、などにも注目したい。そうしたリアル・クロスオーヴァーな作品群を抽出するのが、AOR Light Mellow3部作の次にやりたいコトだな。