gordon haskel

ホント、訃報の止まない昨今ですが…。今日もジャズ・トランペット奏者:近藤等則の逝去に触れて悲しく思っていたら、日付が変わる直前に、このゴードン・ハスケル逝く、の報。先月出した『AOR Light Mellow Premium 01』にも掲載した人だけに、こちらの方がハートに響く。もちろん比べるようなコトではないけれど、自分との一方的な距離感、親しみという意味で。

ゴードン・ハスケルといえば、一般的にはキング・クリムゾンのシンガー&ベーシスト、という印象だろう。グレッグ・レイクの後任で、メンバーとしては3rdアルバム『LIZARD』のみの参加。でも『IN THE WAKE OF POSEIDON』ではレイクに代わって<Cadence And Cascade>でヴォーカルを取り、逆に『LIZARD』では、タイトル組曲のヴォーカルをジョン・アンダーソン(イエス)に奪われた。もっともゴードンはクリムゾンに加入したつもりはなく、ティーンエイジャーのころ一緒にバンドを組んでいたロバート・フリップに頼まれてレコーディングに参加した、ぐらいの感覚だったとか。クリムゾン加入前の69年、既に『SAIL IN MY BOAT』というドリーミーなシンガー・ソングライター・アルバムを出していたのだから、それも当然だろう。

クリムゾンを抜けたゴードンは、間もなくアトランティックのトップ:アーメット・アーティガンに認められ、アリフ・マーディン制作で2枚目のソロ・アルバム『IT IS AND IT ISN'T(歳時記)』(71年)をリリース。まだモーグル・スラッシュにいたジョン・ウェットンの他、フィールズやレア・バードのメンバーなど、プログレ人脈でレコーディングに望んでいる。しかしそこはマーディン制作、やはり英国産シンガー・ソングライター然とした仕上がりで、ラスカルズのブリガッティ兄弟やデヴィッド・スピノザのギターがニューヨークでダビングされた。『AOR Light Mellow Premium 01』に載せたのは、まさにこのアルバムである。

クリムゾンから遠いアルバムを作ることは彼の意図からで、作品には現代社会への風刺が込められ、タイトルも物事には表と裏があることを表していたのだが、それらはほとんど無視され、メロウ・フォークな作風に注目が集まった。しかも商業的には完全に失敗。失意のゴードンはそのまま表舞台から身を引き、90年に復活するまで場末のバーで歌う日々だったらしい。しかしそこからは着々を作品を重ね、02年作HARRY'S BAR』は全英ヒットになった。そして上掲の04年作『THE LADY WANTS TO KNOW』は、彼がリスペクトしていたマイケル・フランクスのカヴァー集。しかもプロデュースがヘイミッシュ・スチュワートで…、と聞けば、慌てる輩も少なくないだろう。これをゲットした時のポストは、こちらから。

いつかプログレ目線から離れ、シッカリとUKシンガー・ソングライター/ジャジーAORの人と認知されてほしいと願っていたが、もうそれも叶わず…。現時点では死因など詳細は不明。享年74歳。

そういえば、ひと足先に鬼籍に入ったグレッグ・レイクのソロ編集盤も間もなく登場。ジョン・ウェットンもボズ・バレルも既に亡くなってるから、何だが解散前のオリジナル・クリムゾンでは、トーヤと被り物ではしゃいでいる?フリップ翁だけ やたらと元気、みたいな感じだな…

Rest in Peace...