kadomatsu_perfoemance 2020

コロナ禍でミュージシャンの多くが厳しい局面に立たされている中、予防対策を打ちながらも積極果敢に動き出しているアーティストも増えてきた。我らが角松も BlueNoteからの無観客配信ライヴ:SUMMER MEDICINE FOR YOU 2020”、先日WOWOWでも放映された8月の "Performance 2020.08.12 SPECIAL GIG” と単発ステージを複数こなし、今月はいよいよ"Kadomatsu Plays The Guitar vol. 4” 〜歌もうたうよ〜として、横浜〜大阪〜東京の Billboard Live ツアーに出た。東京は中1日を挟んでの4デイズ。その2日目2nd Show に潜り込んだ。
(以下ネタバレあり)

Kadomatsu Plays The Guitar の冠通り、基本はギターを弾き倒すライヴ・レストラン企画。いつしか歌も歌うようになったが、洋楽カヴァーを演ったり、ホール・ツアーのセットリストから溢れてしまうような楽曲をユル〜い感じで混ぜ込んでくる。しかも日替わり、ステージごとに曲を一部入れ替えたりするので、楽しみが尽きない。今回の Vol.4はちょうど3年ぶりの Plays The Guitar 。シリーズ当初は大枚叩いて購入したレス・ポールを弾きたくてウズウズしてる感じだったが、最近は曲ごとにストラト・タイプとバランスよく使い分けている。

メンバーは上手から、森俊之(kyd)、本田雅人(sax)、山内薫(b)、山本真央樹(ds)、鈴木英俊(g)という安定の角松バンド。冒頭から 小林信吾への短い追悼コメントがあったが、逝去直後で鬼気迫るモノがあったという横浜とは違って、終始リラックスした感じ。でもそのスタンスが逆に、「オレたちはコレを続けていくしかないんだ!」という静かな決意の表れなのだと感じた。

この2nd Showのスタートは、70〜80年代的ギター・フュージョン3連発。過去のビルボード公演でも披露した未発表の自作インスト2曲に、角松が大学生の頃から入れ込んでいるラーセン・フェイトン・バンド(正確にはフルムーン feat. ニール・ラーセン&バジー・フェイトン)の<The Visitor>を挟むカタチ。続いて、甘美なアレンジにすり替わった<Sealine>以降は、ギターを置いての<Last Flight>、どこまで本気か分からい自虐ネタMCを前振りにしての<YOKOHAMA Twilight Time>、<Mrs.Moonlight>と続いていく(この辺り、曲順あやふや…

圧巻は本編ラストの<Midsummer Drivin'>。パパゴンさんこと鈴木英俊のギターって、オールマイティな今剛を別格とすると、スタイル的に今の角松との相性が一番イイような気がしている。ロックとフュージョンのバランス感が最もシックリ来るんだよな。そしてアンコールは、意外にもヴァン・マッコイの<The Hustle>。角松もMCで紹介していたけど、この曲、演奏は意外にもスタッフ。そしてミッド・テンポに落とした<Oshi-Tao-Shitai>で、メロウ度増量で幕。

バックステージを尋ねると、角松が自分の顔を見るなり、開口一番、
「お〜、元気か」「おぅ、ゲンキだぜ!」「そうか、それなら良かった
何気ない会話だけど、その裏に、信吾さんを失った心の傷みたいなモノを感じざるを得ない。そこはデビューより前からの付き合いの長さが成せる技、かな。とりあえずは、また12月のサンプラザで。その前ににも「お前と俺」関連の発表がありそうよ。