ronin_japan

新型コロナが蔓延する直前の今年2月に、奇跡のような再結成ツアーを日本で行なったローニン。その東京・大阪での Billboard Live4公演の模様を収録したライヴ盤が登場した。ライヴ・レポート自体はこちらを参照していただきたいが、こうしてライヴ盤になると、その時の興奮が蘇ってくる…。イヤ、それどころか、ジックリと冷静に聴いても、かなり完成度の高いパフォーマンスを展開していたコトが分かるのだ。

収録曲は全13曲、約60分。1ステージ分をまるっとほぼ全部収めた充実の内容。唯一のアルバム『RONIN』(80年/今回同時リイシューされる)からの7曲に加え、昨年ソロ名義で発表したデモ音源集『UNFINISHED BUSINESS』、イミディエイト・ファミリー最新作からも1曲づつ。更に、豪快なペダル・スティール・ギターを聴かせたダン・ダグモアのオリジナル・バラード、ニール・ヤングのカヴァー<Loner>に、アンコール曲でチャック・ベリーのカヴァー<Round And Round>も。

中核ワディ・ワクテルが意外に歌えること、メンバーみんなでコーラスを取ったことはステージを観て軽く驚いたが、こうして改めてライヴ盤を聴き、ホントにシッカリ歌っていたのを再確認した。ライヴ・レコーディングするというコトで、メンバーもシッカリとリハーサルを重ねて来たのだろう。リック・マロッタのドッシリしたドラムも、派手ではないけど心地良い重量感を醸し出していたな。

リンダ・ロンシュタットだの、ジェイムス・テイラーだの、ウォーレン・ジヴォンだの、スティーリー・ダンだの、ピーター・フランプトンだの、キース・リチャーズだの、スティーヴィー・ニックスだの…。4人の職人たちがガッツリとサポートしてきた著名ミュージシャンはココには書ききれない。でもその名脇役たちを観にきた熱心なオーディエンスに囲まれ、実に良い雰囲気の誠実なショウだった。そんな空気がパッケージされた、ステキなライヴ盤である。