来年でデビュー40周年を迎えるイエロージャケッツのニュー・アルバム『JACKETS XL』が登場。「え、まだ演ってたの?」なんてイケズな声も出そうだが、地に足つけた活動を継続している数少ないグループ。かつてはフュージョン王道を突き進んでいたが、度重なるメンバー交代と共に、いつしか硬派なコンテンポラリー・ジャズ路線へ。現在のオリジナル・メンバーはラッセル・フェランテ(kyd)ただ一人で、相棒役はボブ・ミンツァー(sax)。でも2011年からは、往年のメンバーだったウィリアム・ケネディ(ds)が復帰。盟友ジミー・ハスリップと入れ替わったジャコの息子フェリックス・パストリアス(b)は、期待とは裏腹にごく短期間の参加で終わってしまったものの、これで加入3作目となる後任デイン・アルダーソンのプレイが素晴らしいので、またまた安定期に入ってきたことを伺わせる。
…とはいえこのアルバム、ジャケにもあるように、ドイツのケルンを拠点にする人気・実力共にトップ・クラスの名門ビッグ・バンド、WDRビッグ・バンドとの共演作。収録曲も、88年作『POLITICS』の<Downtown>に始まり、デビュー盤からの<Imperial Strut>、直近では16年『COHEARENCE』のタイトル曲などのセルフ・カヴァーが中心になっている。 それを華やかさとフレキシビリティ溢れるビッグ・バンド・スタイルにアダプトして、フレッシュに蘇らせたアルバムなのだ。
このプロジェクトを企画したのは、リーダーのフェランテではなくミンツァー。彼は16年からWDRの首席コンダクターを務めており、自分のバンドでの共演歴もアリ。そういえば、リッキー・ピーターソン(kyd,vo)をフロントに据えて、ミンツァーとWDRがバックを務めたアルバムもありましたね。今回はそれをイエロージャケッツで、多くのレパートリーからビッグ・バンドにフィットする楽曲を選んでアレンジ。10曲中8曲がミンツァー編曲で、フェランテのアレンジは意外にも1曲だけに留まっている。でも<One Day>と<Tokyo Tale>は今回初登場の楽曲。それぞれミンツァーとフェランテが持ち寄ったが、書き下ろしではなく、何らかの事情で未発表になっていたマテリアルに手を加えているようだ。
ひと口にビッグ・バンドと聞くと、オールド・スクールなスウィング系モダン・ジャズを連想してしまいがちだけれど、デヴィッド・ボウイ『★( BLACKSTAR)』(16年)が契機となったか、ビッグ・バンドのラージ・アンサンブルの世界も大きく変容。日本でも挾間美帆が活躍している。そうした動きも、どこかで連動しているのかな。従来はバンド・サウンドの和音の部分を一人で担わなければならないフェランテが、何処か自由を謳歌している風情。名門ビッグ・バンドだけに、アンサンブルはもちろん各メンバーはソリストとしても素晴らしく、ジャケッツ側も大いに刺激を受けたと思われる。それが音から伝わってくるのだな。
イエロージャケッツも前作『RAISING OUR VOICE』で女性シンガーを迎えて新境地を開くなど、常にチャレンジを怠らず、コンテンポラリー・ジャズ道を邁進している。近年の彼らにはサラリと付き合う程度になっていたが、この新作はとてもフレッシュに感じられて、既に何度もリピート。手元にある近作も改めて聴き直さなくては…。
このプロジェクトを企画したのは、リーダーのフェランテではなくミンツァー。彼は16年からWDRの首席コンダクターを務めており、自分のバンドでの共演歴もアリ。そういえば、リッキー・ピーターソン(kyd,vo)をフロントに据えて、ミンツァーとWDRがバックを務めたアルバムもありましたね。今回はそれをイエロージャケッツで、多くのレパートリーからビッグ・バンドにフィットする楽曲を選んでアレンジ。10曲中8曲がミンツァー編曲で、フェランテのアレンジは意外にも1曲だけに留まっている。でも<One Day>と<Tokyo Tale>は今回初登場の楽曲。それぞれミンツァーとフェランテが持ち寄ったが、書き下ろしではなく、何らかの事情で未発表になっていたマテリアルに手を加えているようだ。
ひと口にビッグ・バンドと聞くと、オールド・スクールなスウィング系モダン・ジャズを連想してしまいがちだけれど、デヴィッド・ボウイ『★( BLACKSTAR)』(16年)が契機となったか、ビッグ・バンドのラージ・アンサンブルの世界も大きく変容。日本でも挾間美帆が活躍している。そうした動きも、どこかで連動しているのかな。従来はバンド・サウンドの和音の部分を一人で担わなければならないフェランテが、何処か自由を謳歌している風情。名門ビッグ・バンドだけに、アンサンブルはもちろん各メンバーはソリストとしても素晴らしく、ジャケッツ側も大いに刺激を受けたと思われる。それが音から伝わってくるのだな。
イエロージャケッツも前作『RAISING OUR VOICE』で女性シンガーを迎えて新境地を開くなど、常にチャレンジを怠らず、コンテンポラリー・ジャズ道を邁進している。近年の彼らにはサラリと付き合う程度になっていたが、この新作はとてもフレッシュに感じられて、既に何度もリピート。手元にある近作も改めて聴き直さなくては…。