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年内最後の締め切りに向け、スタッフ作品群を傾聴中。ご存知のようにスタッフは、一世を風靡したフュージョン・グループだけど、個人的にはこのフュージョンというカテゴリーを彼らには当て嵌めたくなくて…。便宜上使っているが、どうもこの言葉の裏には、音楽性よりテクニック至上主義がはびこっている気がしてしまう。使うなら、クロスオーヴァーの方がシックリくるな。音楽用語的には同義語として使われるが、異種混交の進行プロセスに違いがあり、その試行錯誤とプレイヤーの個性のせめぎ合いこそがこのジャンルの面白さと思っている。演奏スキルは、あくまで音楽表現のツールのひとつなのだ。

そういう見地からスタッフを説明するなら、彼らはインスト中心のソウル・ジャズ、もしくはジャズ系R&Bのバンド、というのが正確か。もちろんクルセイダーズもこのパターン。アドリブ・ソロでリスナーを圧倒するのではなく、グルーヴで聞き手を煽り、そこにメンバーのソロを乗せていく。こういうパターンのグループって、日本じゃほとんど生まれないのは、やっぱり国民性を反映しているのだろうか。

…にしても、デビュー時のメンバー6人のうち3人、エリック・ゲイル、コーネル・デュプリー、リチャード・ティーが既に物故。リーダーのゴードン・エドワーズの近況もトンと聞かない。その代わり、スティーヴ・ガッドとクリス・パーカーのドラマー2人だけはやたら元気。コロナが明けたら、また彼らのライヴが拝めるかな?