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メジャー・デビュー作となった『CIDER ~ Hard&Sweet ~』から4年ぶり、通算4作目となるニュー・アルバム。CD自体は昨年12月の発売直後にゲットして、音はとうに聴いていたが、初回限定のBlu-rayを観てからブログにアップしようと思っていたら、結局 今になっても観ること叶わず。そこで昨日、神保さんの新作を取り上げたタイミングで、千里ちゃんのも、と相成った。

参加メンバーは、彼女のレギュラー・バンドと呼べそうな、櫻井哲夫(b)、安部潤(kyd)、菰口雄也(g)の4リズム。なんだ、千里ちゃん含め、櫻井さん以外はよく知ってる人たちぢゃん。でも彼女にとって気心知れた布陣だからこそ、の魅力が、このアルバムには封じ込められている。そしてゲストに、エリック宮城・二井田ひとみ(tr)、中川英二郎(tb)、本田雅人(sax)のホーン・セクション。

曲もコア・メンバーの持ち寄りで、櫻井さん、菰口クン、アベジュンさんの作編が各2曲づつ。そして千里チャン作/アベジュン編曲が3曲。その楽曲のバランス感が絶妙で、さすが千里ちゃんをよく知る人たちだと感心する。プロデュース&エンジニアである木村サンとも、阿吽の呼吸で作れたんだろうな。

スターターの菰口チューンは、ツー・バス連打のヘヴィメタ・ハード・コア・フュージョンで、もう1曲ギター主導のライト・グルーヴ。櫻井さんの提供は、ベースvsドラムのバトル曲に、古巣カシオペアを髣髴させるウェル・プロデュースドな16ビート曲。アベジュン楽曲は、彼らしい変則ビートのクロスオーヴァー・チューンに、ジョー・サンプル風の大らかなピアノ・バラード。そして千里ちゃん自身が、ポップ・ファンク、壮大なプログレ・フュージョン、そしてラストのパーティ・ジャムで楽しませる。

前作『CIDER ~ Hard&Sweet ~』は、フィリップ・セスとガップリ四つに組んだニューヨーク録音作で、それはそれはよくできていたけれど、逆に作り込みが過ぎたか、ちょっとした息苦しさがあった。彼女の生真面目さ、テンションの高さがストレートに現れた分、遊びをカマす余裕がなかった。でも今回は充分にリラックスできる環境が整えられ、何でもこなせる彼女の柔軟性を様々な角度から演出している。

女子高生スーパー・ドラマーとして注目された彼女も、大学を卒業し、今では確固たるプロ・ドラマーになった。相変わらず、ちびっこ名演奏家がSNSで話題だけれど、コピーが上手い、スキルがスゴイ、だけでは素晴らしいミュージシャンにはなれない。それは自分のスタイル、表現力を身につけてこそ。千里ちゃんはそれを見事に体現している。