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「英米で活躍したアイスランドの敏腕キーボード奏者ヤコブ・マグヌッソンが、80年代初頭に発表したAORの秘宝、約20年ぶりに奇跡的復刻。ジェフ・ポーカロ、ヴィニー・カリウタ、ビル・チャンプリン、ジェイ・グレイドン、ペイジス、トム・スコット、ジェリー・ヘイらが参加。ヒプノシスによるピンク・フロイドの元ネタ的なアートワークは紙ジャケットで再現。オリジナル盤に封入されていたニュースペーパー風折り込みも復活する。更にインスト傑作『TIME ZONE』をボーナス・ディスクとした、無欠の2枚組仕様による豪華リイシュー」――金澤寿和
来週17日に復刻されるヤコブ・マグヌッソン『JACK MAGNET』の2枚組スペシャル・エディションの見本盤が、ひと足早く手元に到着した。オリジナルは81年に北欧アイスランドのみのリリース。02年に日本で初CD化されたが、それも既に立派なプレミア価格になっている。

その前回CDの解説も自分が書いたが、今回はヤコブ自身に取材できたため、作品についてだけでなく、彼の生い立ちやキャリア、本作後から近年の動向まで、シッカリとフォローした。そのライナーは何と1万字超。ボックス・セットなどを除くと、自身の最長ライナーになると思う。ちなみに現在のヤコブは、アイスランドの著作権協会STEFの会長。音楽家のためにロビー活動なども行ないながら、ぼちぼちと自分の音楽活動も続けているそうだ。

では何故この作品が、こんなに豪華なメンバー、ヒプノシスのアートワークという大きなプロジェクトに発展したのか、しかもそれが何故アイスランドでしかリリースされなかったのか。そんな秘密と共に、その鍵を握った人物が、かの超大物プロデューサーだったことも、今回初めて明らかになった。そしてまた『JACK MAGNET』という磁石男のコンセプトが生まれた背景、その後の信じられないエピソードも赤裸々に語ってくれている。

2枚組になったのは、2度目のCD化なのにボーナス・トラックが用意できそうになかったため、後続のインスト盤『TVAR SYSTUR』を世界初CD化して抱き合わせでリリースできないか?、と打診したから。ヴィニー・カリウタ(ds)、ジェフ・バーリン(b)、スタンリー・クラーク(cafe)、マイケル・ランドウ(g)、フレディ・ハバード(tr)他のラインナップが参加したこのアルバムは、86年に『TIME ZONE』とタイトルを変えて全米発売されている。『JACK MAGNET』はシングル・アルバムだったが、今回は2枚組にしたことで、紙ジャケットの仕様もゲートフォールド(見開き)に。なのでココは北欧盤『TVAR SYSTUR』とUS盤『TIME ZONE』のジャケを2枚並べた。

同時に『JACK MAGNET』に封入されていた夕刊紙サイズの4Pニュースペーパー風特殊ブックレットも、ミニチュア・サイズで初めて再現。まさにこれ以上望めないリイシューになっている。

アナログでは激レアの一枚も、今では音だけならサブスクで簡単に聴ける。だったらパッケージはトコトン装丁にこだわって、というのが今回のコンセプト。これぞ、買い逃し厳禁のリイシューです

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