jiva

昨年発刊した拙監修のディスクガイド『AOR Light Mellow Premium 01』に、プレAOR作品として紹介したジーヴァ/JIVAの75年作が、韓国 Big Pink経由の紙ジャケ/輸入盤国内仕様で初CD化。オリジナル原盤はジョージ・ハリスンのレーベル:ダーク・ホースで、レーベルが最初に契約した米国人バンドという触れ込みだった。ところが当時のダーク・ホースは、ジョージの新作遅延で配給のA&Mと大揉めにモメていて、煽りを喰らったジーヴァのデビュー作は、まったくプロモーションされずに終わってしまったらしい。

バンド名のジーヴァとは、サンスクリット語で “魂” の意。ナリッジという独自のインド瞑想法の信者:プレミーが組んだロック・バンドとして、74年に最初のアルバム『BY HIS GRACE - Music For Hans Jayanti Festival』を発表している。その音源が、A&Mのオフィスで秘書をしていたジョージの当時のガールフレンド:オリヴィア・アリアス(後の夫人)を通じてジョージ自身に渡り、本格デビューが決定。アトランティックやワーナー・ブラザーズも彼らに興味を示していたそうだから、精神的アティチュードはともかく、音楽的にはそれだけ注目されていたのだろう。

編成自体は、ギター2本にベースとドラムというオーソドックスなもので、Kydにはジョージと親しいゲイリー・ライトがゲスト参加。プロデュースは、クルセイダーズなどで知られるスチュワート・レヴィンが担当している。その効果もあってか、ゆったり大らかなブルー・アイド・ソウル・テイストの作品に仕上がっており、荒削りな中にほのかな洗練を滲ませる。バッキンガム=ニックス合流後のフリートウッド・マックの初ツアーで前座を務めたり、ドノヴァンのツアーでバック・バンドを務めた実績は伊達じゃなく、ジョージ関連のB級バンドとして片付けてしまうのはチョイと勿体ない。

78年にはポリドールから『STILL LIFE』という好盤を出していて、コチラもいま制作中のガイド本続編『AOR Light Mellow Premium 02』への掲載を迷うところ。でも実際は、その間に Discogsにも載っていないカセットのみのアルバムが出ていたそうで…。そのあと解散してしまったというジーヴァだが、中心人物だったマイケル・スコット・ラニングはデイヴ・エドモンズのアルバムに楽曲提供したり、近年も映画音楽やミュージカルの音楽制作で活動。米国の人気TVドラマ・シリーズ『BAY WATCH』では、俳優としての出演場面もあったそうで、かなりビックリ。

…それにしても、ダーク・ホースの代表格アティチューズは、ベスト版のデジタル配信だけで一向に正規CDになりませんな(いま出ているCDはブートレグ)