splinter 79

偶然にも、ジョージ・ハリスンのダーク・ホース・レーベル関連のリイシューが続いている。昨日がジーヴァ、今日がデュオのスプリンター。でも正確なトコロは、今回復刻されたスプリンターの2枚のアルバムはダーク・ホース離脱後の作品で、既に輸入盤ではCD再発済み。とはいえまずは、ダーク・ホース後の最初のアルバムで、通算4作目に当たる79年の『STREETS AT NIGHT(恋にさよならを)』を紹介したい。

ただしこのアルバムは、母国イギリスではリリースされず、日本でのみの発売。というのもスプリンターは、75年ごろから日本との縁を深めていて、中村雅俊に依頼して自曲に日本語詞を乗せてもらったり、76年には世界歌謡祭に出場してゴダイゴと親しくなり、翌年タケカワユキヒデからシングル曲を贈られたりしている。そういう下地があっての、日本独自リリースだった。

でもその中身は、試行錯誤の真っ只中。ダーク・ホース最終作『TWO MAN BAND』(77年)は、パーカー・マッギーの楽曲を含むナッシュヴィル人脈入りのAOR寄り好作だったのに、セルフ・プロデュースのコレは、そううまくはいかなかった。明らかにディスコ路線を狙った曲が総じて安っぽく、アレッシーに通じるナイーヴさを、大味なアレンジと録音のマズさで掻き消してしまっている。ゆったり踊れるメロウ・グルーヴ系タイトル曲を筆頭に、当時の日本向けシングルで彼らの持ち味が発揮された<I Can't Turn You On(恋にさよならを)>、しっとりミディアム<When Will You Let Go?>や<Took My Breathe Away>など、そこそこイイ曲もあったのだが、それが続かないのだな。

4曲のボーナスのうち<Then I Can Say Goodbye>は、昭和の時代の深夜にオンエアされていたTVドラマの挿入歌みたいな、雰囲気モノの歌謡ディスコ。でもそれが、ビリー・バンバンの名曲<さよならをするために>の英語カヴァーだと知り、原曲との違いにビックリ。サクッと聴いただけじゃ気づかないような大胆なアレンジで、コレはコレで面白かった。何でも、日本の大手音楽出版社の周年記念レコード(非売品)に提供されたものだったとか。

一見ゴージャスなセクシー女性のジャケットも、よく見ると結構ケバい。これでは爽快デュオとは程遠い、エロエロなファンキー・ソウル風情。どこまでもミスマッチ感が漂う一枚なのだが、こうして当時の国内盤が紙ジャケで出ると、やっぱり欲しくなってポチってしまう。あぁ、マニアの悲しい性を恨むゼよ…