stevie_time 2 love

この何日か、新旧数枚分のアルバムのライナー執筆に時間を割かれている。その中で、自分的にメイン・イヴェント的存在になっているAOR系大物シンガーの新作ライナー用インタビューの中で、スティーヴィー・ワンダーの話が出てきた。まだ情報公開前なので名前を伏すが、そのシンガーがアルバムの中でスティーヴィーのことを歌っているのだ。それもあってか、インタビューの中で彼がスティーヴィーについて言及した。

「昔のレコードの方が良かったとか言う人間はいるものだ。スティーヴィー・ワンダーの最新作『A TIME 2 LOVE』の中の<Passionate Raindrops>という曲が本当に良くて、そのことをジェイ・グレイドンに話したら、ジェイのヤツは、“『INNERVISON』や『TALKING BOOK』の方がいいに決まってる” と言うんだ。だから言ってやったよ、“ジェイ、これは今週出た中で最高のアルバムなんだ。その中の<Passionate Raindrops>って曲の第2ヴァースのスティーヴィーのヴォーカルは、レコーディングの歴史始まって以来、最高のヴォーカルだ。そのくらい良いんだよ!” ってね。ジェイは聴いてみると言い、数日後に電話をしてきた。“お前の言う通りだ。どこかに聞き覚えのある何かがないかと探したが見つけられなかった。素晴らしいアルバムだ” とね。スティーヴィーはいまだにどんどん良くなっているよ。そうとしか言いようがないよ」

あぁ、コレはイタイところを 自分も、この<Passionate Raindrops>に曲について、ほとんど記憶がない。ってか、このアルバム、05年の発売時にもちろん即買いして聴いたが、あまり良い印象を持てなかった。確かにスティーヴィーの近作の中では良い方と感じたが、半ばグレイドンと一緒で、ロクに聴き込まずに、昔のアルバムの方が良いに決まってるとタカを括っていた。

でもこの言葉をキッカケに、アルバムを聴き直し。当然、スティーヴィーが最も輝いていた時期の作品群に敵うはずはないのだが、やっぱり良いメロディがアチコチに鏤められているし、スティーヴィーはスティーヴィーだな、と。時代に目配せしたような楽曲は要らないと思ってしまうが、アルバム自体は、隅へ追いやったまま放置すべき作品ではなかったと改めて。<Passionate Raindrops>はコード・チェンジが凝っていて、ヴァースはまるで<Ribbon In The Sky>を髣髴させる歌でありました。

ゲスト陣にはプリンス、ボニー・レイット、インディア・アリー、アン・ヴォーグに愛娘アイシャ・モリス。加えて、ポール・マッカートニーもギターを弾いたり、カーク・フランクリンのプロデュース、ナラダ・マイケル・ウォルデンのドラムも。

でもこれを最後に16年、ニュー・アルバムから遠ざかっているスティーヴィー。去年は新曲を出してくれたが、果たしてアルバムは出るのだろうか…?