kevin godley

10CCのオリジナル・メンバーにして、初期のヒネクレ担当だったケヴィン・ゴドリーの、何とビックリ 初ソロ・アルバムが出ていた。今年は10CCの前身ホットレッグスのデビューから、ちょうど50年目。発表は昨年12月で、現状の一般流通はデジタル・リリースのみになっている。フィジカルはゴドリーのサイト https://kevingodley.greedbag.com で、CDが購入可。

今やケヴィン・ゴドリーというと、ホットレッグス〜10ccとキャリアを共にしたロル・クレームとの映像ディレクター・チーム兼音楽ユニット:ゴドリー&クレームの人、というイメージなのかな? でも10CC時代の場面展開の早いサウンド・スタイル、シネマチックな構成は、ゴドリー&クレームの2人に依るところが大だったワケで、そうなると<I'm Not In Love>を含む初期代表作『THE ORIGINAL SOUNDTRACK』(75年)も、その次作『HOW DARE YOU(びっくり電話)』も、この2人あってこその傑作と言える。事実、彼らが独立して5ccになったと揶揄されたエリック・スチュワート&グレアム・グルードマン組は、より直球なブリット・ポップ・グループに。取っつきやすくなったのは間違いないが、うっすらと狂気を孕んだゴドリー&クレームのストレンジさが、初期10ccを特徴づけていたのが明らかになった。

3枚組大作『CONSEQUENCE』でスタートしたゴドリー&クレームとしてのユニット活動も、ユニークだったけれど、やっぱりストレンジな印象が強かった。一番愛聴したのは、88年のオリジナル6作目『GOODBYE BLUE SKY』。それ以降、このユニットでの新作は出ていない。

最近はほとんど名前を聞かなくなっていたゴドリーなので、この50年目のソロ作には超ビックリ。全11曲(CDは12曲)、すべての楽曲がゴドリーと誰かのコラボレイト作品になっていて、それぞれに国籍も手法も違う。楽曲ごとにコラボ相手の簡単なプロフィールが紹介されているから、ほとんど無名の作曲家/作詞家/演奏家/クリエイターばかりなのだろう。

それでいて全曲、一本のスジで貫かれていて、ゴドリーらしい視覚的音像作とでもいうべきモノに仕上がった。歌っているのもゴドリーで、独特の美声も健在。淡々と、でも適度なウェット感を持って流れていく音は、いわゆるアンビエント風ではある。でも個人的には、シッカリと10cc〜ゴドリー&クレームから連なっている作品だと受け止めた。何処かデヴィッド・ボウイ的なニュアンスもあり、もしボウイが今も健在でジャズに向かっていなければ、こちら方面へ進んでいた可能性があったかも…、と思える。

何れにせよ、ゴドリー&クレーム作品が好きな方は、チェックの価値大。傑作とは言わないけど、アートワーク含め、ふと手にしたくなるような、インテリアの一部のような作品。こういうのは埋もれさせちゃいけないな。