lo van gorp

「2020年にオランダからワールド・ワイド・デビューを果たし、
世のAORフリークスをギャフン! と言わせたマーティン&ガープ。
そこで エモいスモーキー・ヴォイスとサックスを聴かせてくれた
“ガープ" ことロー・ヴァン・ガープが、初のソロ・アルバムを発表。
デュオでも覗かせたスティーリー・ダン愛に加え、
70~80年代のアダルト・コンテンポラリー・ヴァイブにココロが疼く。
懐かしいのに新しい、ジェネレーション・ギャップのブレイクスルー」


最新の欧州〜北欧AORシーンで、オーレ・ブールドに次ぐ新しい注目株といえば、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスとトミ・マルム、そしてマーティン&ガープだろう。そのマーティン&ガープの声が、このガープこと、ロドウィック・ヴァン・ゴープ。1973年、オランダはハーグ近くの街モンステルの生まれで、フェイヴァリットはスティーヴィー・ワンダーとドナルド・フェイゲン。セッション・ワーク中心の音楽活動を行ないながら、自分の楽しみのためにいくつものサイド・プロジェクトを組み、今回初めてのソロ・アルバム制作に乗り出した。ツアーでオランダにやってきたアル・ジャロウやチャカ・カーン、オリータ・アダムスなどとも共演している。

ソロ活動とは言いながら、彼にはフィル・マーティンとは別の相棒がいる。本作のプロデューサー/エンジニアであるパトリック・ドレイブだ。ガープ曰く、「聖人のような男。彼がすべてを可能にしてくれた。偉大なコンポーザー、ギタリストで、セラピストでもある」

そのパトリック・ドレイプのスタジオで、足掛け8年を費やしてコツコツ作ってきたのが、この『TRUE FRIENDS』。8年といっても、実際はスケジュールの都合で半年間ストップ、なんてこともあったらしいが、何と言っても驚くのは、全曲一発録り、という点である。それも、オランダの第一線級ミュージシャンを起用してのレコーディングだから、そりゃあ長〜い月日がかかっても不思議じゃない。

参加陣はオランダのプレイヤーばかりだが、キーボードのカレル・ボエリーはヨーロピアン・ジャズ・トリオ名義で多くの作品を発表し、過去20年トゥーツ・シールマンスのバンドでピアノを弾いた人。トランペットのヤン・ヴァン・ダウケレンは、キャンディ・ダルファーやトレインチャをサポートし、日本でも2枚のインスト作を出しているそうだ。セッションメンを集めたと言っても、ガープにとっては普段よく顔を合わせるチームからの人選で、コンビネーションは絶妙。ちょうど活動再開後のスティーリー・ダンのような、有機的関係性が伺える。耳によく馴染むメロディとガープのハーフ・ビターな歌声が絶妙のマッチングで、ウエストコースト・サウンドへのリスペクトを示しつつ、同時にとてもアーティスティックな仕上がり。

マーティン&ガープを気に入った方は、コチラもチェックを怠らないで。