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ジャパンが1979年に発表した重要作『QUIET LIFE』のデラックス・エディションが到着。その中身は、ハーフスピード・リマスターによる180gヴァイナルと最新リマスターCDをメインとし、かつて7インチや12インチで出たリミックスやレアリティーズCD(EP『LIVE IN JAPAN』4曲含む)、その同じツアーの80年3月27日@日本武道館公演からの16曲入りCD(オーディエンス録音)がボーナス・ディスクとして付録。トータル:アナログ+CD3枚組(+24Pブックレット)になる。それで8000円前後なら納得で、ボックス購入。オーダー後に最新リマスターCDの単体サンプルを頂戴したけど、ライヴ音源も気になっていたので、キャンセルはしなかった。

でも、カナザワがジャパン、というところを意外に思う方もいるのかな? でもジャパンはデビュー当時からレコード買って聴いていて。ルックス目当てのミーハー女性ファンが多く、遠目に見ているだけだったけど、初期は実は結構好きで聴いていたのだ。でもこの『QUIET LIFE』が出た時は、さすがに戸惑った記憶がある。すぐには買う勇気がなくて、友人から借りたんじゃなかったかな?

でもデヴィッド・ボウイのヨーロッパ3部作や『MANIFEST』以後の再編ロキシー・ミュージックに接する耳で聴けばイイのだ、と気づいてからは、スンナリ聴けるようになった。元々初期ボウイやロキシーのヌメヌメと粘性の高いグラム・ロックは苦手なのだが、ジャパンが単にグラムというコトだけでなく、その後のロキシー、ボウイの指向性を追い掛けてきたのが興味深く、ジャパンはただ奇抜なルックスで売ってたワケじゃない、確かな成長を刻んだ作品なのだと真摯に受け止めた。それこそ、ココからジョン・パンターをプロデューサーに迎えたのも必然的で。パンターはかつてロキシーを手掛けていた人だからね。それこそ、彼らのミュージシャンとしての志、音楽性の高さを解さないミーハー・ファンなんか、何処へか消し飛んでしまえと思ってた。

もっとも80年代になると、自分がAOR方面に深入りしていくので、ジャパンとの距離が徐々に広がってしまったのだけど… でも彼らは後発のニュー・ロマンティック勢とは比べるべくもないくらい、その後も、そして解散後も、それぞれがクリエイティヴなコトをやり続けた。

ちなみに、一番聴いてみたかった武道館ライヴは、オーディエンス録音だけあって、残念ながらブートレグ並みの音質。CD2 に入っていたEP音源も良くなかったので、こんなモンだと思うが、耽美的な楽曲でも嬌声を上げ続けている一部オーディエンスは、やっはり音楽なんかロクに聴いてなかったんだろうな。