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宇宙イチのファンク・バンド:タワー・オブ・パワーの50周年ライヴ盤が、2CD+DVDの3枚組でリリースされた。収録は2018年6月1〜2日@オークランド・フォックス・シアター。TOPは30周年、40周年の節目にそれぞれライヴ盤を出しているが、地元オークランドでアニヴァーサリー・ライヴを演るのは初めて。しかも前日、オークランド市がこの日を“タワー・オブ・パワーの日”に制定し、市庁舎前でセレモニーを行なっている。更に会場のフォックス・シアターも、この日の公演では1階席のシートを取り外し、オール・スタンディングにするナイスな配慮。ライヴは当然、熱く大きな盛り上がりを見せた。その一部始終が、この作品にパッケージされている。

もちろんバンド側も最高の布陣で臨んだ。レギュラーである10人に加え、体調不良からツアーに出られなくなっていたロッコ・プレスティアも参加した、ベース2人の体制。更に全盛期のメンバーであるレニー・ピケット(sax)、チェスター・トンプソン(kyd)、ブルース・コンテ(g)の3人に、少し前までリード・シンガーとしてフロントに立っていたレイ・グリーンがトロンボーンで。つまり通常5管のホーン・セクションが、なんとこの日は7管体制だったのだ。バリトン・サックスの看板男ドック・クプカを擁し、普段でも充分に分厚いTOPホーンズが、この日はトロンボーン入りで更に中低域の厚みを増し、更にレニー・ピケットの超ハイノート・ソロまで備えたワケで。コンテの参加は2曲にとどまるものの、レニーとチェスターはフル参加。そこへ2コーラス、10人のストリングス・セクションが加わる、まさに50周年記念に相応しい歴代最高の豪華ラインナップとなった。演っていることはいつものTOP節だけど、通常ライヴに比べ、ホントに格段のグルーヴがある。

カメラは多くのオーディエンスを映し出していくが、みんなホントにイイ表情。ただライヴに熱狂しているのではなく、彼らを地元の英雄として捉えている、そういう目をしている。それだけに、終盤に登場するロッコが昨年9月に逝去してしまったのが残念無念。彼ならではアグレッシヴなポンピン・ベースは、ココでもシッカリ健在なのに。

またヴォーカルのマーカス・スコットも強力だ。近年じゃラリー・ブラッグスの印象が強かったけど、この人の躍動的な歌いっぷりも素晴らしい。TOPのリード・シンガーって歌は上手いだけじゃダメで、ホーン隊を引き立てつつ自分も埋没しない難しいポジション取りが求められる。それをこの人はとても上手くこなしているように見えた。デヴィッド・ガリバリディ(ds)が頻繁に映るのも、ファンには嬉しいところ。プロデューサーのクレジットには、ジノ・ヴァネリの兄ジョーの名前もある。

そういえば、しばらくTOPのライヴから遠ざかってしまっているけれど、コロナ明けに来日したら、久しぶりに観に行くかな?