pat metheny_road to the sun

唐突に姿を現した感のあるパット・メセニーのニュー・アルバム『ROAD TO THE SUN』。唐突になったのは、日本リリースがないため前振りもインフォもなく輸入盤のみになったから。でも実のところは、いわゆるジャズ・ギタリスト:メセニーのアルバムではなく、況してやパット・メセニー・グループの作品でもない。言うなれば、作曲家:パット・メセニーとしての初アルバムというべき作なのだ。

その音はジャズではなくクラシック。もっと言えば、室内楽的なクラシカル・ギター・アルバムで、壮大な組曲が2曲。しかもそれを弾いているのもメセニーではなく、4パートから成る<Four Paths Of Light>はクラシック・ギターのヴァーチュオーソで、2015年にグラミー賞を獲っているジェイソン・ヴィオーの独奏。情報だとこの人は、大のメセニー・フリークらしい。そして6楽章で構成されているアルバム・タイトル曲<Road To The Sun>は、やはり05年にグラミー賞を獲得したギター・アンサンブル:ロス・アンジェンルス・ギター・カルテットの演奏で、一部メセニーもギターをダビングしているようだ。

そしてメセニー自身の本格的登場は、ボーナス・トラック<For Luna>だけ。でもコレが42弦ギターでの演奏だから、ひと筋縄ではいかない。プレイもスゴイが、かつてECMにいただけあり、音響派的な響きが美しい。

そうしたクラシカルな音をどう評価するか、そこが判断の分かれ目で、この手に疎い自分には判断不能。ただECM時代の初期メセニーを髣髴させる雰囲気は確かにあって、深遠な大自然に包まれて浄化されていくような、そういう森林浴的効果がある。

だから、メセニーのコア・ファン、ジャンルを超越したギター・ファン向けではあるだろう。カナザワ的にも、自分が求めるパット・メセニー像は、こうしたモノではない。去年の『FROM THIS PLACE』は大作だったけれど、メセニーはこれから何処へ向かおうとしているのか?