アマネトリル 21021

縁あってカナザワが以前から応援しているオトナのシティ・ポップ系デュオ・ユニット、アマネトリルの Special Live 2021@目黒Blues Alley Japan。このコロナ禍にあって、スタジオ・ライヴの配信でいろいろトライしてきた彼らだが、リアル・ライヴは昨年2月の『LIVE Light Mellow 2.5』以来、1年2ヶ月ぶりとのこと。新曲となる<Lady Pink Panther>(鈴木茂カヴァー)のデジタル・リリースに合わせたと同時に、昨年秋に出た初のフル・アルバム『CRUISER POP』(ミニ・アルバムに続く通算2枚目)を携えての、初のリアル・ライヴでもあった。

今回のサポート・メンバーは、Blue Peppers 井上薫(kyd)をバンマスに、外園一馬(g)、林あぐり(b)、渡邊シン(ds)といった若手敏腕ミュージシャンたち。彼らは新曲<Lady Pink Panther>のレコーディング・メンバーでもあって、ドラマー以外はカナザワも馴染みの連中なので、楽しみが倍増していた。

1st stageは、『CRUISER POP』でもオープニングを飾る<Voyage>から軽やかにスタート。やや緊張気味のmasahiroに対し、ゆったりマイペースのYujin。特に今回はギター弾きのパートナーがいるというコトで、スタジオ・ヴァージョンの再現性や緻密なギター・アンサンブルの構築ができたためか、普段よりもYujinのノリが良いようで、時折ニヤリを笑みを溢したり。 <Cruise With Me>での外園クンとのソロ掛け合いなど、本当に嬉々としてプレイしていた。

これまでアマネトリルが出してきた3枚の7インチ・シングルは、どれもハヤリのシティ・ポップを強く意識したもの。でも今回は初のフル・アルバム後ということで、そに辺りをシッカリ押さえつつ、これからのアマネトリルの進路を占うようなライヴになれば、と個人的に思っていた。そしてそれは図らずも、若手中心のメンバー構成によって、無理なく示されていたよう。リズム隊が これまでよりロック寄りの重量感あるプレイをしていたし、ギター3本のバランス感がいろいろ可能性を広げている。

もともと彼らは、フォーク・ロックや米ウエストコースト・ロックがルーツ。若くてハジケたシティ・ポップのニュー・カマーが続々現れている昨今、それぞれにソロ・キャリアがある2人が組んだアマネトリルは、もっと独自の路線を前に打ち出してイイ。だとすれば、ギターとヴォーカル・ハーモニーにフォーカスすることは、彼らにとって新しい側面になり得るのではないか。ピッチやハーモニーにはまだまだ伸びしろを残しているけれど、アメリカの<A Horse With No Name(名前のない馬)>、ビル・ウィザース<Lovely Day>といったカヴァー・セレクトは、 それを端的に示していた。

masahiroの「ライヴは408日ぶり」なんてMCにも、今回のコロナ禍で苦境に立たされ、どんなにこのステージを待ち焦がれていたかが表れていたけれど、この自粛期間が実は彼らにとって、とても重要な試行錯誤の時期になるかも。コロナ明けのライヴが、今から楽しみだ。

[ 1st stage ]
1. Voyage
2. ファンファーレは街へ
3. 跳ねた羽
4. Cruise With Me
5. DAIWA
6. Parasol
7. A Horse With No Name
8. SUNSET TRAIL

[ 2nd stage ]
9. Breezin’
10. Lovely Day
11. CANDY BLUE
12. Feeling You
13. Galactic Moves
14. エンプティーダンス
15. Every Single Day

〜Encore〜
1. LADY PINK PANTHER
2. Wonderful Journey