leon russell_songs

英国の名門再発レーベル:ace 編集による好評ソングライター・シリーズに、この3月、レオン・ラッセル・ソングブックが登場した。以前からレオン・ラッセル好きを公言しているけれど、それは、仙人みたいなルックスとダミ声で美しい曲を書く人、というパブリック・イメージとは別に、早くから黒人バンドをバックに付けたり、逸早くドラム・マシーン導入に取り組んだりと、サウンド・クリエイターとしても面白い人だから。でもココにいるのは、まさに多くのシンガー/アーティストに愛されるメロディ・メイカーとしてのレオンである。

だけれどそこは、ヒネリを効かせた技アリの選曲センスで毎回リスナーを唸らせてくれるaceのお仕事。長年メジャー・レーベルから離れていたレオンに救いの手を差し伸べたエルトン・ジョンとの共演アルバム『THE UNION』(2010年)からの< If It Wasn't For Bad>に始まり、大物アーティストによる定番ヒット曲は控えめに、<Superstar>はデラニ&ボニー、<Song For You>はダニー・ハサウェイ、<Delta Lady>はジョー・コッカーと、誰もが期待するトコロをチョイと逸らす。もっとも<This Masquarade>だけはジョージ・ベンソンで、王道ドンズバだけど。

ボビー・ホイットロックやウィリー・ネルソンを選んだところは、レオンの出自を考えると嬉しいところ。<Rainbow In Your Eyes>のアル・ジャロウを始め、ランディ・クロフォードやジャニス・シーゲル(マンハッタン・トランスファー)のチョイスは、aceのコダワリ? ウォーネル・ジョーンズ、フレディ・キングにナザレスなんて、他じゃ絶対に選ばれない。ボビー・ヴィーやゲイリー・ルイスは駆け出しの頃に書いた曲。そうかと思えば、ルーマーなんて新しいシンガーによるカヴァーを狙ったことにも好感を抱く。英語の詳細解説をジックリ読みながら、レオンの世界にドップリと。

詳しいリストは以下の通り。

1. IF IT WASN'T FOR BAD / Elton John & Leon Russell
2. DELTA LADY / Joe Cocker
3. GROUPIE (SUPERSTAR) / Delaney & Bonnie & Friends featuring Eric Clapton
4. A SONG FOR YOU / Donny Hathaway
5. ME AND BABY JANE / Jose Feliciano
6. TIME FOR LOVE / Randy Crawford
7. LAND OF OZ / Le Cirque
8. BEFORE YOU GO / Bobby Vee
9. RASPBERRY RUG / Bobby Whitlock
10. YOU LOOK LIKE THE DEVIL / Willie Nelson
11. BACK TO THE ISLANDS / Janis Siegel
12. RAINBOW IN YOUR EYES / Al Jarreau
13. MY CRICKET / Rumer
14. MAKE LOVE TO THE MUSIC / Maria Muldaur
15. SOMETHING GOOD IS GONNA HAPPEN TO YOU / Wornell Jones
16. I'D RATHER BE BLIND / Freddie King
17. ALCATRAZ / Nazareth
18. THE LOSER (WITH A BROKEN HEART) / Gary Lewis & The Playboys
19. LONESOME AND A LONG WAY FROM HOME / Earl Scruggs & The Earl Scruggs Revue
20. LOVE'S SUPPOSED TO BE THAT WAY / California
21. THIS MASQUERADE / George Benson