ted nugent

引き続き、レコードコレクターズ誌8月号の特集『70年代ハード&ヘヴィ・アルバム・ランキング』の執筆関連ネタから。これも現段階では、掲載ランキングに入ったか否かは伏せておくが、超久々に聴き直し、こういうエンターテイメント性の高いおバカなハード・ロックは、たまに聴くとキモチいいなぁ〜と。ブリティッシュ勢はどうしても湿ったり暗くなるが、アメリカ勢はカラリとドライ。キッスやアリス・クーパーなど、笑いながら周りを蹴散らしていく豪快な疾走感がある。デヴィッド・リー・ロス在籍時のヴァン・ヘイレンも、また然りで。

テッドの爆裂ぶりは、68年にデビューしたアンボイ・デュークス時代から顕著。でも日本ではあまり馴染みがなかった印象で、エピック入りしてのこのソロ第1弾『TED NUGENT』でガッツリ売り出された。邦題は『閃光のハード・ロック』。超ロン毛に髭面、抱えるギターはでっかいボディのフル・アコで、カメラを向けりゃあ眼を大きく見開いてガオーッを叫ぶ。まさに野獣のキャラで、サーヴィス精神旺盛。いつも上半身裸で胸毛を晒し、ケツには尻尾をつける徹底ぶりだった。

サウンドもギミックのない、ストレートなハード・ロック。しかも全然迷いがなく、ひたすら猪突猛進していく。後続の76年作『FREE FOR ALL(ハード・ギター爆撃機)』、77年作『CAT SCRATCH FEVER (傷だらけの野獣)』 も良かったけど、衝撃度はやはりこの1作目。

後年、ヒゲをサッパリ剃り落としたら、野獣イメージを覆してえらく二枚目だったのも驚いた。