レココレ21.8

準レギュラー的に寄稿しているレコードコレクターズ誌2021年8月号『70年代 ハード&ヘヴィ・アルバム・ランキング100』に参加しました。レココレ誌ではこうしたランキング企画は定番化していて、いつものように執筆陣25人が30枚の個人リストを提出し、それを点数で集計してベスト100を選ぶ。お話をもらって、アッと言うまに約50枚ほど候補を選出。それを絞り込んで30枚にした。総合ランキング100位は誌面を見て戴くとして、ココでは個人リストを公開。

1. RAINBOW / RISING / 1976
2. LED ZEPPELIN / PHYSICAL GRAFITTI / 1975
3. DEEP PURPLE / IN ROCK / 1970
4. LED ZEPPELIN / IV / 1971
5. BLACK SABBATH / BLACK SABBATH / 1970
6. FREE / HEARTBREAKER / 1972
7. MONTROSE / MONTROSE / 1973
8. HUMBLE PIE / SMOKIN’/ 1972

9. CACTUS / ONE WAY…OR ANOTHER / 1971
10. VAN HALEN / VAN HALEN / 1978
11. URIAH HEEP / LOOK AT YOURSELF / 1971
12. BAD COMPANY / BAD COMPANY / 1974
13. AC/DC / HIGHWAY TO HELL / 1979

14. QUEEN / QUEEN II / 197210. 

15. CAPTAIN BEYOND / CAPTAIN BEYOND / 1972

16. AEROSMITH / ROCKS / 1976
17. UFO / OBSESSION / 1978

18. THIN LIZZY / JOHNNY THE FOX / 1976
19. DEEP PURPLE/ COME TASTE THE BAND / 1975
20. MOUNTAIN / CLIMIN’ / 1970
21. JUDAS PRIEST / SAD WINGS OF DESTINY / 1976

22. BECK BOGERT & APPICE / BECK BOGGART & APPICE / 1972
23. THE STRANGLERS / BLACK & WHITE / 1978
24. SCORPIONS / FLY TO THE RAINBOW / 1974
25. TEAR GAS / TEAR GAS / 1971
26. TED NUGENT/ TED NUGENT / 1975

27. DETECTIVE / DETECTIVE / 1977

28. SIR LORD BALTIMORE / KINGDOM COME / 1970

29. NAZARETH / HAIR OF THE DOGS / 1975
30. STRAPPS / SECRET DAMAGE / 1977

選考基準としては、基本1アーティスト1枚だけど、Zepp、パープルは例外。サバスは『HEAVEN & HELL」も入れたかったけど、あれ、80年なのね。パープルはベスト盤なら『MACHINE HEAD』だけれど、ハード&ヘヴィと言うテーマに準じて、リッチーが荒れ狂う『IN ROCK』。Zeppは『PRESENCE』にしようか迷った挙句、<アキレス〜>1曲の破壊力より総合力で『PHYSICAL GRAFITTI』。

30選に関しても、いま選んだところで3〜4枚は気分で入れ替わるし、順位も不同。全体として定番アーティストの定番アルバムが2/3、残りは個人的主張を込めてマニアックなところを。今回はハード&ヘヴィと言っても、ハード・ロック&ヘヴィ・メタルではなく、ジャンルよりもサウンド自体を重視とのコトだったので、ストラングラーズ『BLACK & WHITE』を入れた。総合ではセックス・ピストルズが入っていたけど、やっぱり音楽の質としてはナニなので、自分的にはストラングラーズ。キング・クリムゾン『RED』も候補にしていたが、プログレ名盤としてエスタブリッシュされているから、だったらこう言う機会にしか選べないモノを選ぼう、と選外に。でも30位台に入ってましたね…

他にも、自分は選外にしたタマが結構上位に入っている。ウィッシュボーン・アッシュ『ARGUS』、グランド・ファンク『AMERICAN BAND』の2枚だ。アッシュは知的かつギターの絡みが美麗すぎて、ハード&ヘヴィには似つかわしくないと判断。グランド・ファンクは初期作が凄すぎるので、この時期は自分にはポップ・ロックにしか聞こえないの。逆に自分も入れたかったな、と言うのはリーフ・ハウンド。この時はCDが行方不明で聴き直しできず、後でサブスクにも上がっていると知った…

一方、ボストンやジャーニーのランクインは、個人的に意外で。広義のハード・ロックではあるけれど、自分的にはまったくハード&ヘヴィという意識がない。この形容にはある程度の荒っぽさ、傍若無人な疾走感が必要だと思うで、産業系は完全オミットなのだ。チープ・トリックもパンキッシュな1stならわかるが、『IN COLOR』は自分には謎。ステイタス・クォーとかフォガット、ZZトップも、もう少し枠があれば入れたかった。

エアロスミスやキャプテン・ビヨンドは、ともに総合20位台。これにはちょっと不満で、もっと上位に行くべきでは? 対してそこに食い込んでいるベック・ボガート&アピスは、ちょっと甘いなと。だったらハード&ヘヴィに相応しいカクタスを、もっと評価してほしい。カクタスは3枚のスタジオ・アルバムが全部入っているので、票が割れちゃったんでしょう。またブルー・オイスター・カルトの人気に驚く一方で、テッド・ニュージェントとか入らんのかと。ディテクティヴの完全スルーも悲しかったな…

ハード&ヘヴィというわかりやすいテーゼでも、これだけ人によって差がある。世代の差なら納得もできるが、ホンの2〜3年の違いで、キャパシティの範囲が変わってくる。もちろんそれは面白いコトではあるのだが、太くてシッカリした幹があればこそ枝葉が伸びるのであって、枝葉ばかりに気を取られていては、木も森も見えない。マニアほど陥りやすいワナなので、気をつけないと。

なお、次回『80年代 ハード&ヘヴィ・アルバム・ランキング100』でも引き続き選盤依頼を受けたが、こちらは思うところあって、丁重にご辞退申し上げた。余裕を以って全体を俯瞰できないなら、そこにアタマを突っ込むべきじゃない。それは物書きとしての、自分の矜持でもあるな。