tomoko soryo_about time

このところジム・ロック・シンガーズだったり TINNAだったり、いろいろと惣領泰則周辺の再発が活発。もちろん背景にはシティ・ポップの再評価があって、数年前には手が届かなった所にも斬り込めるようになってきたのが大きい。カナザワがコンピや再発を仕掛けていた時には、オリジナル・リイシューは困難で、せいぜいコンピに収録するのが精一杯だったが、こうしてライセンスによる攻めの復刻が実現するようになった。

この『 IT'S ABOUT TIME』、オリジナル・リリースは1981年。ブラウンライス〜ジム・ロック・シンガーズ〜TINNAとキャリアを重ねながら併行してソロ活動を展開していた惣領智子の、3枚目のオリジナル・アルバムに当たる。ベストを入れると通算4作目で、EMI / Express への移籍後、初アルバム。

ジャケットを見て分かるように、当時彼女は妊娠中だった。その幸福感、ワクワク感に満ち溢れたアルバムで、ジャジーかつアーベインなサウンドは極めて完成度が高い。例えば、昨今人気の間宮貴子『LOVE TRIP』あたりの志向に近いのだ。楽曲自体は当人の書き下ろしを中心に、ご主人:泰則の楽曲がいくつか。まさにお腹の子供と同様、お二人の愛の結晶と言える。

バックを務めるのも、ジム・ロック系の敏腕セッションメンで、市原康(ds)、金田一省吾(b)、市川秀夫(kyd)、土方隆行/幾見雅博(g)、安田裕美(αc-g)、ジェイク・H・コンセプション(sax)、EVE(cho)など。イチ推しは角松敏生を髣髴させるメロウ・ミディアム<Penthhouse Cocktail>と、アコギがそれっぽい<海になりたくて>。ラテン調のピアノに始まり、やがてスタッフ風味に盛り上がっていくホット・チューン<I'm In New York>も素晴らしい。

初CD化に当たっては、ほぼ歌謡ポップスのシングル2曲を追加収録。貴重なのは確かだけど、コンテンポラリーなアルバム本編との音楽的ギャップが時代だな〜(苦笑)