hiromi go_superdrive (1)lm city breeze sony

この8月から、ようやく郷ひろみの音源がサブスク解禁となった。ココでの目的はもちろん79年作『SUPER DRIVE』。CDにはなっているけれど、ボックスに入っているだけで、単独リリースはナシ。レコード会社としてはバラでも出したいところなのに、マネージメントが許可しないらしい。ま、芸能界チックなところでは、よくあるパターン。でもシティ・ポップ・ファンにとっては、HIROMI GO自体は重要ではないワケで、まさに待望のサブスク解禁となる。

事情がわかっていない方に説明すると、この『SUPER DRIVE』というアルバムは、HIROMI GO meets 24丁目バンド(ハイラム・ブロック、ウィル・リー、スティーヴ・ジョーダン、クリフ・カーター)というゴッツイ顔合わせで録られているのだ。確か、彼らが来日するタイミングを見計らってのレコーディングで、エンジニアは名匠:吉田保。オマケにアートワークは横尾忠則である。

ライトメロウ的なイチ推しは、メロウ・ミディアムの<入江にて>。今をトキめく林哲司 提供の隠れ名曲である。最近組まれた林さんの3枚シリーズの作品集のうち、ソニー編である『melody collection 1979-2020』(タワーレコード限定/下のamazonリンクはキャニオン編)にも収録されている。林さんはこのアルバムに3曲書いていて、<Feel Like Going Home 〜夢が住む街へ>なんてモロに杏里、というか角松チックな曲で。共にアレンジは萩田光雄。アルバムには芳野藤丸も2曲書いている。シングル曲の<マイ レディー>もニュー・アレンジで入っているが、完全に洋楽センスでまとめられた作品なのだ。

でも振り返ってみると、<入江にて>をコンピに入れたのは、カナザワが今からちょうど20年前の2001年に組んだ『風の街人たちへ〜Light Mellow - City Breeze from East -SME Edition』が一番最初だったのでは? この “City Breeze from East” は、このソニー編の他に、東芝EMI、BMG、ワーナー、ユニバーサルの5社連動企画で、04年に発刊するディスクガイド『Light Mellow 和モノ』の前哨戦的コンピ、つまり Light Mellow シリーズ初の和モノ企画だった。ちょうどその頃、洋楽の『AOR Light Mellow』を各社でコンパイルしていて、その流れで「日本のAORコンピを作って欲しい」と依頼されたのだ。いま振り返ると、20年前のアレこそが、和モノ・ブームの原点。

当時はシティ・ポップの「シ」の字もない時代だったし、できるだけ知名度のある人を、というリクエストもあった記憶が。何より自分自身、和モノを本気で掘り出す前の選曲なので、並びが青いな〜。そんな中、まったく未CD化だったケン田村、イメージが違う久保田早紀や四人囃子のチョイスはちょっとした冒険だった。五輪真弓だって、<恋人よ>はヒットする前は、和製キャロル・キングと呼ばれていたし…。もちろんその筆頭が、郷ひろみの<入江にて>なのは言うまでもない。当時、アルファ音源はまだソニーの管理下にはなく、EMI盤に入れている。アチラではユーミン楽曲を使えたのが奇跡的だった。

この『風の街人たちへ〜Light Mellow - City Breeze from East』のシリーズ・キャッチは、「和製シティ・ポップスのAOR的コンピレーション」。今じゃ当たり前のコトが、当時はイチイチ説明が必要だった。アートワークに使っている写真はハービー山口さん。これが20年も前だななんて、なんかいろいろ感慨深いな。

そのソニー盤の収録曲は以下の並び。
1. バイブレイション (LOVE CELEBRATION) / 笠井紀美子
2. SOUTH ON 101 / SHOGUN
3. 入江にて / 郷ひろみ
4. 蝶のように / 渡辺真知子
5. プールサイド / 南佳孝
6. 今日かぎり / 五十嵐浩晃
7. 悲しきクラクション / 杉真理 
8. ミスター・ハッピネス / 五輪真弓
9. The Tokyo Taste / ラジ
10. ドリーミング・ラブ / 中原理恵
11. Little Bit Easier / ケン田村
12. 水色のワゴン / HI-FI SET
13. MOONLIGHT WHISPER / 南佳孝
14. ONE ON ONE (You're the one) / SHOGUN
15.サラーム / 久保田早紀
16. ラスト・チャンス / ラジ
17.フロントガラス越しに / 須藤薫
18.レディ・バイオレッタ / 四人囃子