pink floyd_aphrodite 50

ピンク・フロイド『原子心母』の箱根アフロディーテ50周年記念盤、当然のように自分もフラゲしています。中身はCD+Blu-Rayの2枚組。アルバム自体は前回リマスターの流用らしく、目新しさは何もナシ。目的は遂に発見された、50年前のオリジナル・フィルムからのレストア映像。それと7インチ・シングル・サイズの紙ジャケと、アフロディーテにまつわる山盛りのメモラビリア、というコトになる。

ソニー・ジャパンの担当ディレクターS氏の尽力で、この発掘情報は至る所で見ることできる。かつてテレビ埼玉でオンエアされたことがあり、ブートも出回っているそうだが、自分はフル映像を見たことはなく、断片的に見ただけ。今回マスター映像は発見できたが、サウンドは音質が悪くて使いモノにならず、まったく別のオーディエンス録音を探して出して修正して使っている、と聞いた。

<原子心母>のライヴ音源がそれなりの音質でフル収録されているのは、とても貴重。スタジオ・ヴァージョン24分に対しライヴは15分程度の尺だが、これはオーケストラも合唱団も不在で、メンバー4人だけでステージに掛けているだから仕方がない。それよりむしろ、よく4人だけでココまでできるな、と感心する。演奏技術に長けたバンドではないが、構成力や表現力は天下一品。しかも50年前のライヴだから、鍵盤はオルガンだけだし、エフェクター類も最小限。オマケに他のアーティストも同じステージに立つイベント・ライヴなので、ライト・ショーを武器にしていた彼らにしては、照明も滅茶苦茶ショボい。味方らしい味方は、霧と日没という自然現象だけだ。

でもその<原子心母>のライヴ・ヴァージョンを丸々映像と音で見せながら、ところどころ来日風景(空港とか移動の新幹線とか)を差し込んでいくのかと思いきや、音は完全にBGM状態。映像と音は、全然シンクロさせていなかった…。演奏シーンはたっぷり楽しめるし、貴重なメンバーのオフ・ショットに声を上げてしまったりもする。けれど残念ながら、演奏シーンの音とのシンクロは一切ない。そのクセ、エンディングだけはバシッとタイミングが合っているので、思わず苦笑してしまった 初来日のアフロディーテの生映像は確かにスゴイけど、この当時の動くピンク・フロイドなら、ポンペイのDVDもあるしなぁ〜。

…というワケで、これはライヴ映像作品というより、単なるドキュメント、アフロディーテ公演の豪華特典付きメモラビリア、というべき。ピンク・フロイド好きと言っても、こうしたオマケやグッズにあまり興味のない自分としては、<原子心母>が聴きたくなったら、普通に他のリマスター盤CDを出す。広告の煽り方に乗せられてしまいそうになるけど、これから購入しようという方は、過剰な期待は禁物よ。