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28日から開催されている【CITY POP on VINYL 2021】のネタを断続的に紹介しているが、そのラインナップに入っていない激ヨシのシティ・ポップ名盤が、わずか3日遅れでアナログ復刻される。吉田政美の都市型ブラジリアン作『MY TUNE MY TURN』、濱田金吾の人気盤『midnight cruisin'』、そして芳野藤丸の7インチ・シングル『思い出の内側で / Who are you?』。いずれも、目に鮮やかなカラー・ヴァイナル仕様でのリイシューだ。

でも、「3日しか違わないのなら、何故【CITY POP on VINYL 2021】にエントリーしないの?』というのが音楽ファンの素朴な疑問だろう。これにはやはり業界的な裏事情があって…。

要するに【CITY POP on VINYL 2021】は、日本で唯一アナログ文化を守り続けてきたレコード製造メーカーが主催するイベント。現在は他にもいくつか、アナログ製造ラインを復活させた国内メーカーがあるが、一時はホントにココが最後の砦状態だった。つまり【CITY POP on VINYL 2021】へのエントリーは、基本的にそこの製造ラインを使います、というコト。11月の【レコードの日】も事情は同じである。他からのエントリーも閉ざされてはいないが、世界的なレコード・イベント【Record Store Day】ほどオープンではない。

早い話、発売時期が決めて近いのにイベント企画に乗らないのは、上掲3枚が国内プロダクツでも、プレス自体は海外のラインを使っているからだ。いま日本のレコード会社が使う海外プレスは、ドイツかチェコ、もしくはアジアの複数ラインを使うことが多いそうで、コスト・パフォーマンスも然ることながら、欧州ラインは国内やアジアより音が良いとされる。この3枚もプレスはドイツの工場だ。ただ日本ほどにはスケジュールが厳格管理されておらず、また世界中からオーダーが来るため、こちらが希望するタイムラインでは進まず、延期もしばしば。なのでこうしたイベントには乗りにくい。従って制作担当が何処にプライオリティを置くかによって、発売パターンが変わってくる。この3枚、発売元は【CITY POP on VINYL 2021】に多くのアイテムを投下しているるHMV/ローソンエンタだけれど、何故かこういう形に。リマスターは最新のありモノを流用しているが、XXXX年アナログ・マスターと明記されているので安心感がある。

このアナログ再発、個人的に嬉しいは、07年に【Light Mellow's Choice】で紙ジャケCD化した吉田政美の『MY TUNE MY TURN』の復刻だ。誰それ?って人も多いと思うが、彼はさだまさしのグレープ時代の相方で、実はジャズ大好き人間。グレープも<精霊流し>が売れなかったら、もっとクロスオーヴァー指向になっていたという。作品詳細はこちらから当時のポストを読んでいただくとして、1980年の段階で、村上ポンタ秀一や林立夫、後藤次利、岡沢章、高水健司、矢野顕子、斉藤ノブ、浜口茂外也、数原晋らを起用し、マイケル・フランクスやケニー・ランキンとクリストファー・クロスを掛け合わせたような極上 和製AORをクリエイトしていたのだから恐れ入る。

濱田金吾『midnight cruisin'』は、ムーン移籍第1弾(通算4作目)に当たる 82年作。CDリイシューは何度か繰り返されているけれど、現在は<街のドルフィン>がアジア圏で再評価され、ちょっとバズっているらしい。シティ・ポップというにはアーベインすぎる作風だけど、流石にクオリティは高い。

そして11月のLIVE Light Mellowにご出演いただく芳野藤丸は、ムーン時代に出したシングルの復刻版。A面<思い出の内側で>は、2ndソロ『ROMANTIC GUYS』からのカットで作詞が吉田美奈子。B面の<Who are you?>は名盤1st『YOSHINO FUJIMAL』のオープニングを飾った桑名晴子とのデュエットと、完全に美味しいトコ取りの7インチだ。

藤丸さんがジャケ通りのレッド・ヴァイナル、金吾さんも同様にブルー・ヴァイナルなのは直球と言えるが、吉田政美がクリア・ヴァイナルなのが 何ともナイス。音の透明感が視覚化されて、なかなか雰囲気ヨシです。販路はチョイと限られるが(amazonにはナシ)、もし気になったら、どれも枚数限定なのであるうちに買う時や、というコトで。タワー及びHMVは右サイドバーのバナーから検索を。