diane warren

ロクなインフォーメーションもなく、いつの間にかコソッと出ていてオドロいた一枚。稀代の女性ソングライター:ダイアン・ウォーレンの、初めてのソロ・アルバムだ。…といっても彼女が歌っているワケではなく、様々な豪華ゲストを招いて書き下ろしの曲を歌ってもらった、最新のソングブック・アルバム。ダイアンは、エアロスミス<I Don't Want to Miss a Thing>、スターシップ<Nothing's Gonna Stop Us Now>、シカゴ<Look Away>、トニー・ブラクストン<Un-Break My Heart>、バッド・イングリッシュ<When I See You Smile>、そしてセリーヌ・ディオン<Because You Loved Me>など、全米No.1を多数を含むチャート・ヒットを100曲以上生み落とし、グラミー賞を筆頭に、アカデミーやゴーデン・グローブ賞ノミネートの常連でもある。

今までにも彼女の曲ばかり集めたソングブックや、音楽出版社が彼女の作品を集成した6枚組ボックス(プロモ・オンリー)が出された例はあるが、彼女の名前を看板にした新曲ばかりの純然たるソロ・アルバムは、コレが初めて。制作のキッカケは、他の著名アーティスト同士がコラボレーション作品をを次々発表しているのを見て、ソングライターで同じようなことをやってみたいと考えたから。

そうなると、さすがヒットメイカーのダイアンである。サンタナからG-Easy、ジョン・レジェンド、ペンタトニックス、セリーヌ・ディオン、レオナ・ルイス、ジェイムス・モリソン、デリアス・ラッカー(元フーティ&ザ・ブロウフィッシュ)…と、ジャンルも世代も国籍も超えた、多彩なコラボレーション・アルバム完成、と相成った。リード・シングル<She's Fire>にはカルロス・サンタナとG-Easyが参加し、ラテン・ロックとヒップホップのビッグ・ネームが異色のコラボレーションを繰り広げる。

ドイツ人プロデューサーのジャック・ホワイトがダイアンの書いた楽曲を積極的に使い始め、ローラ・ブラニガンやスティーヴィー・ウッズが歌い始めたのが82〜3年。続いてクインシー・ジョーンズやモーリス・ホワイトが彼女に目をつけ、デバージやコモドアーズへとドンドン拡散していく。その成功へのプロセスをつぶさに見ていたので、冒頭に羅列したバラード・ヒットの多くが出るべくして出たことを実感できた。

対して今はヒップホップやダンス・ポップ全盛。その中では、彼女も以前ほど活躍できていないようだ。だからこの初ソロ、という面もあるだろう。まさに今様のヒット・チャート仕様に作られたアルバムで、1曲1曲はどれもソツのない出来。でもかつての楽曲のようにガツンと突き抜けてくるインパクトには乏しく、職業ライターらしい器用さが表れている。ラテン・ポップやポップ・カントリー系のコラボが多くなるのも、彼女の作風がいま一番フィットするのがそこだから。そうした意味では、とてもプロフェッショナルな作品。言わば、ウォーレンからの現状報告みたいなアルバムだと思う。きっと彼女は、本当の自分が発揮できるような時代が再び訪れるコトを、待ち詫びているんだろうな。

01. She's Fire - Diane Warren, G-Eazy & Carlos Santana
02. Seaside - Diane Warren, Rita Ora, Sofia Reyes & Reik
03. Sweet - Diane Warren, Jon Batiste & Pentatonix
04. When We Dance Slow - Diane Warren & Luis Fonsi
05. I Save Me - Diane Warren & Maren Morris
06. Where is Your Heart - Diane Warren & John Legend
07. Drink You Away - Diane Warren & Ty Dolla $ign
08. You Go First - Diane Warren & James Arthur
09. Not Prepared For You - Diane Warren & Lauren Jauregui
10. You Kind Of Beautiful - Diane Warren & Jimmie Allen
11. Domino - Diane Warren & LP
12. Superwoman - Diane Warren & Celine Dion
13. Times Like This - Diane Warren & Darius Rucker
14. Grow Old With Me - Diane Warren, Leona Lewis & James Morrison
15. Blessings - Diane Warren & Paloma Faith