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<Lady Marmalade>で有名なラベルの結成メンバーであるサラ・ダッシュが、9月19日、自宅のあるニュージャージーのトレントンで急死した。指針は明らかにされていないが、家族には最近体調がすぐれないことを伝えていたらしい。それでも18日にパティ・ラベルのステージにゲスト出演し、パワフルなヴォーカルを披露していたという。享年76歳。

サラはパティ・ラベル、ノナ・ヘンドリクス、シンディ・バードソングと共にブルー・ベルズ結成に参加し、62年にデビュー。いくつかのヒットを飛ばした後、シンディが67年にシュープリームスに移るが、その後は苦戦。グループは70年に “ラベル”と改名してイメージ・チェンジを図り、ローラ・ニーロと共演アルバムを作っている。74年になって、アラン・トゥーサンがプロデュースしたアルバム『NIGHTBIRDS』から、<Lady Marmalade>がディスコでヒットし始め、翌75年に全米No.1を獲得。元々この曲はケニー・ノーランとボブ・クリューが立ち上げたイレヴンス・アワーという架空のディスコ・プロジェクトに書いた曲。それをトゥーサンが聴いて、ラベルに持ってきたワケだ。<Lady Marmalade>は98年にオール・セインツで全英首位、01年には映画『ムーラン・ルージュ』でカヴァーされて(クリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイア、ピンク)、再び全米トップに立っている。

しかしラベルは76年作『CHAMELEON』を最後に解散。オーセンティックなソウル路線のパティ、ロック色の強いノナとは違って、サラはよりポップ・ソウルな方向で、ドン・カーシュナーのレーベル:カーシュナーと契約。78年からコンスタントに3枚のアルバムを発表した。中でも3枚目の『CLOSE ENOUGH』は、ニック・デカロの兄弟フランク・デカロの仕切り、デヴィッド・ウルファートのプロデュースの下、スティーヴ・ルカサーやディーン・パークス、カルロス・リオス、ネイザン・イースト、レニー・カストロ、トム・サヴィアーノといった当時の新鋭が集結。ちょっとAOR寄りのアーバン・ソウル・スタイルを披露している。デヴィッド・ラズリーやブレンダ・ラッセルも曲を書いていたな。

その後、一旦表舞台から遠ざかるが、セッション活動に身を投じていたようで、キース・リチャーズのソロ、ロン・ウッドとボ・ディドリーの共演盤など、ローリング・ストーンズ界隈の録音に参加。『STEEL WHEELS』にも顔を出している。併行してレイ・グッドマン&ブラウンのアルバムに参加し、ハッシュ・プロダクションと契約して、当時のソウル・シーンを席巻していた いわゆるクワイエット・ストーム路線のソロ・アルバム『YOU'RE ALL I NEED』を久々に発表。個人的には、当時は結構気に入っていた記憶があるが、結局単発で終わってしまい。そのまま彼女の最後のソロ・アルバムになってしまった。08年にはラベルの再結成があり、『 BACK TO NOW』という新作も出したが、大きなヒットには結びつかず残念。

Rest In Peace...