rumer_live

ビックリしたな〜、もぅ。埼玉南部で震度5強。我が家の近隣地区では震度5弱。棚からモノが落ちる、なんてコトはなかったけれど、ここ数日、小さな地震が多い気がしていたので、しばらくは注意が必要そう。ニュースを見ている限り、大きな人的被害はなさそうだが、電車が止まったり高速道路が閉鎖されたりしているようで、足止めを喰らっている皆さんはご愁傷様。東京での震度5は、あの東日本大震災以来だそうだ。

さて、ご紹介はルーマー、彼女の初めてとなるライヴ・アルバムがリリースされた。コロナ禍の昨年10月16日、ロンドンのヴェニュー:ラファイエットで行われたストリーミング・ライヴを収録したもの。リリース情報では、20年リリースの5枚目のアルバム『NASHVILLE TEARS - The Songs Of Hugh Prestwood』の楽曲を中心に構成、とされているけど、実はそうでもない。

数えてみたら、ライヴの全15曲中そこからプレイされたのは5曲だけ。デビュー・アルバム『SEASONS OF MY SOUL』と3作目『INTO COLOUR』から各4曲。男性アーティスト楽曲だけをカヴァーした『BOYS DON'T CRY』から、彼女のテーマ曲みたいなホール&オーツのカヴァー<Sara Smile>(ルーマの本名がSarahという)をメンバー紹介兼ねて。そしてEPで取り上げていたトッド・ラングレン(正確にはユートピア)<Love Is The Answer>という、バランスのとれた内容だ。個人的には、中身はもちろん、美しいアナログのデフ・ジャケに惹かれて買ってしまったバート・バラカック・ソングブック『THIS GIRL'S IN LOVE』から歌ってないのが、ちょい残念ではあるけれど…。

シットリと寄り添うような歌を届けるルーマーだから、ヴォーカルの細やかな表情やアコースティック楽器の豊潤な響きがダイレクトに聴ける小さめのヴェニュー でのライヴ・レコーディングは、とても好ましいと思う。ピアノ&鍵盤、ギター、ベース、ドラム、アコギ/マンドリン/ドブロ/ヴァイオリン、というクインテットのバッキングも手堅く、時にジンワリ熱気を帯びる様子が手に取るように伝わってくる。

ただし、コロナ禍ゆえの無観客ライヴというのは、やっぱりチョッと味気ないな。どんなにイイ歌を歌っても、オーディエンスの反応はなく、曲が終わればすぐに静寂が訪れる。歌や演奏に聴き入っている時の静けさには空気の動き、すなわち心の動きが感じられるのに、曲が終わった後の静寂では気が止まる。実際に家で無観客配信ライヴを観ていても感じたコトだけれど、ライヴはやっぱり、歌や演奏を聴いたオーディエンスからのフィードバックがあり、それを受け取ったパフォーマーがまたそれに呼応して、良いステージが重層的に作られていくもの。無観客だと、どんなに充実した演奏をしても、所詮は一方通行で終わってしまうのだ。<Play The Guitar>での熱演の後、ルーマー自身と思しき拍手が虚しく響くのを聴いて、すごく虚しい気持ちになってしまった。

もちろんルーマー好きなら、絶対にチェックすべき充実のライヴ作。でもやっぱりこうしたライヴは、実際に生身で体験してこそ価値がある。鑑賞と体験はイコールではない。コロナがこのまま完全に消えて無くなるとは思わないけど、エンタメ的日常が早く戻るコトを願うばかりだ。