air supply_jp singles

好評を呼んでいる『ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ-』シリーズの第9弾として、エア・サプライが登場。日本でリリースされた全シングル曲にミュージック・ヴィデオを網羅したもので、これまでに出た中では、ボズ・スキャッグスやアース・ウインド&ファイアー、ケニー・ロギンズ、REOスピードワゴンあたりが印象的だった。元々はソニーで始まった企画だけれど、今ではワーナーに飛び火して、シカゴやチャカ・カーンも。こうした楽しい企画は、どんどん連動してほしいところだ。

エア・サプライに関しては、デビュー45周年記念でもあるそうで、1980年〜1986年に日本でリリースされた全シングル曲を対象にして、クロノジカルに、US7インチ・シングル・ヴァージョンに準じて収録しているとのこと。

7曲連続全米トップ5入り、なんて記録を持つらしいエア・サプライだが、自分的には、記録より記憶に残るバンド。特に、小林克也の名番組『BEST HIT USA』の常連というイメージがあって、ディスク2のPV作品の多くは、懐かしさを感じさせるものだった。AORカテゴリーでも、バラード・ナンバー中心に一番ヤワいグレー・ゾーンを担った連中でもあり、ウルサ方の当時のファンには、「エア・サプライなんてオンナ子供が聴くモノ」と、半ば偏見を持って見られていたっけ… かくいう自分も、当時はレンタル・レコードを借りてカセットに録音しただけで満足してしまい、そう熱心に聴いた覚えはない。いま手元にあるアナログ盤も、ずいぶん後になって、「とりあえず持っておくか」と投げ売り状態の中古盤で揃えたものだ。それなのに、こうしたヒット・シングル集を聴いてみると、ほぼ全曲のメロディが脳に染み付いていて、結構ビックリ。それくらい、当時の日本では売れていたんだな〜。

個人的には、エア・サプライというと、大ヒットを連発したアリスタ期より、特徴はそのままに硬派なサウンドに転じた90年代のジャイアント時代に愛着がある。でもやっぱり、好きキライの別はともかく、売れたモノにはそれ相応の魅力があるなぁ…、と改めて。