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カナザワ企画監修による LIVE Light Mellow Vol.4@こくみん共済COOPホール/スペースゼロ(新宿南口)、滞りなく終了いたしました。コロナ感染予防対策による動員制限、日本武道館での風街イベントとのバッティングなどありましたが、その内容はかつてなく濃密だったと思います。足を運んでくださった皆様、出演者の皆さん、そしてスタッフ、どうもありがとうございました。イベントはオンタイムで、自分の前説からスタート。「いま武道館では似たような大きなイベントをやってますが、シティ・ポップ度はコチラの方が高いと思っています」と言ったところで大きな拍手が来たのは、とても嬉しかったりですね。

トップ・バッターはジャンク フジヤマ。彼の伸びやかな歌声は、まさに一番手に打ってつけ。ライヴ定番<Morning Kiss>からパワー全開のステージで、オーディエンスを一気にあたためる。続いて彼の代表曲で7インチ・シングルも切られた<秘密>、そして最新CMソングでもある<GOLDEN TIME>と、一気に畳み込み、大ヒット<あの空の向こうがわへ>。オムニバス・イベントなのに、手を左右に大きく振るキメフリをやってくれる方が多いのに感激した。そしてエンディングでは、サビのリフに乗せて<Let's Kiss The Sun>やら<君は天然色>やら<一本の音楽>やら<Shake>やらをひと節ふた節。ジャンクの心の師たる(山下)達郎さんのオハコをパクってのエンディングに、ヤンヤの喝采となった。

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ここで芳野藤丸 from SHOGUNが、白いストラトキャスターを手に登場。コーラスにはパートナー原久美さん(ボサノヴァ・シンガー)を従えている。そして LIVE Light Mellowならではのコラボ・コーナーとして、<男たちのメロディー>をジャンクと一緒に。こういう場合、一般的には1コーラスめを本人、2コーラスめをゲストが歌うのがセオリーながら、ここはジャンクの提案で歌詞に鑑み、ジャンクが先、藤丸さんが後という順に。男気のある歌にちなんだ、とても美味しいコラボになった。

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ジャンクが袖に下がって、藤丸さんソロ・コーナーに突入。from SHOGUNと付けたのは、単純に分かりやすさからだが、SHOGUN当時の定番ヒットに加え、実際には<Who Are You?>もリクエスト。新しい曲も遠慮なく、というコトで最新作『WHAT'S UP』(18年)から<Cool Bossa>を選んでくれた。藤丸さんと、バックを務めた若手No.1ギタリスト:外園一馬クンとのギター・ユニゾンも聴きモノ。<Who Are You?>のオリジナルは桑名晴子とのデュエットだが、今回は久美サンと。彼女のヴォーカルにも華がある。そして最後にお馴染み<Lonely Man>。ホーンがキモなのでシンセ・ホーンではキレを失いがちになるが、リハで通して藤丸さんも安堵。イイ感じで楽しんでいただけたのでは…? 

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休憩を挟んで後半トップは、Vol.1からLIVE Light Mellowのハコバンを務めてくれているSPARKLING☆CHERRYから。サポート・メンバーの宮崎まさひろサンは、高中正義全国ツアーの前夜の公演先:札幌からの早朝フライトで、羽田から直に会場入り。それでもちょうどグループ4枚目(自主制作盤を含め5作目)となるニュー・アルバム『WINDY』が完パケ間際というタイミングで、気合の入った元気なトコロを観せてくれた。もちろん新作からも<Windy Rain>をプレイ。2曲とも外園クン大活躍で、何処まで翔んで行っちゃうんだ?というその流麗なアドリブ・ソロは、先月Dream Comes Trueのアリーナ公演でプレイしたという実績を裏切らず。

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続いては、カナザワの念願だった paris match の登場。ミズノマリちゃんが単独でイベントに出ることは間々あるが、杉山洋介さんも一緒に paris matchとして出演してくれる機会はそう多くなく、これはニンマリ。スタートもいきなりの人気チューン<Saturday>で、オーディエンスもグイッとイイ具合に揺れだした。続いて最新作『ROUND 12』からの<さよならシーサイド>、カナザワのリクエストに応えてくれた<Silent Night>、そしてコレも人気の高速スウィング<太陽の接吻(キス)>と一気に。スタイリッシュで涼やかなマリ嬢のヴォーカル、サウンドメイクの要でギターと鍵盤、コーラスと楽器を持ち替える杉山氏。また現在は作詞で貢献するオリジナル・メンバー:古澤大サンも、会場に観にいらしてた。

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そしてコラボ・コーナー第2弾は、paris match × 今回のホスト役:ブレッド&バターのデュオ対決(?)。元々はレーベルメイトだったこともあって、paris matchもテンションゆるめに和気藹々。ホスト役といっても、今回はジャンクがオープナーを務めてくれたので、好々爺お2人の役割は、4月開催の Vol.3 から今回のVol.4 にバトンを引き継ぐだけだけど… ここで一緒に歌ったのは、ブレバタの定番曲<Pink Shadow>。都会派 paris match と ゆるゆる湘南オールド・ボーイたちによる、珍しくも微笑ましい共演となった。ホリゾントには、オォ、綺麗なフルムーンが…

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そしてそのままブレバタの2人が居残り、ゆったりとトリを務める。今回のセレクトは、偶然にもアルファ期の楽曲ばかり(Pink Shadow以外)。でもやっぱりこの頃のブレバタが、一番それらしいよなぁ〜。

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そしてフィナーレは、出演者全員での<特別な気持ちで(I Just Called To Say I Love You)>。元々、旧知の間柄だったスティーヴィー・ワンダーがブレバタに提供するために書いたというエピソードを持つこの曲。ジャンクやparis matchを目的に来てくれたシティ・ポップ・ファンだとご存知ないかもしれないけれど、実はスティーヴィーがヒットさせる前後に、いろいろなトピックがある曲なのだ。それを最終的に彼らがユーミンの歌詞を乗せて日本語カヴァーした。それゆえ、このういうイベントでみんなで歌うにはジャスト・フィットする楽曲なので…る。

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というワケで、フィナーレまで約2時間半の駆け足レポートでしたが、ご来場いただいた皆さま、どうもありがとうございました。風街イベントに比べたら、こじんまりとしたイベントでしたが、その分ゆったりシックリ、お気楽にお楽しみいただけたのではないかと思います。同時に、ベテランと中堅どころの貴重なコラボも堪能していただけたのではないでしょうか。

海外での流行によって火がついた感のある昨今のシティ・ポップ・ブーム。でも発火点が海外というコトは、機微に富んだニュアンスたっぷりの歌詞などは当然無視されているに等しいワケで、<Plastic Love>や<真夜中のドア〜Stay with Me>がどうしてそんなウケているのか、ユーミンの人気がイマイチ盛り上がってこないのはどうしてなのか、海外では80年代シティ・ポップが中心で黎明期の扱いは何故に軽いのか、アイドル系の評価が高くなるのは何故なのか、そのあたりを総合的かつ真剣に見極める必要があると思っています。武道館のお祭り騒ぎも結構だけれど、その先をチャンと見ていなければブームの終焉は早いし、その後もただの瓦礫の山。実力があったとしても、生き残るコトができる新人など、ホンのひと握りでしょう。

でもLIVE Light Mellow は、浮かれるコトなく、シッカリと地に足をつけて、来年も続けていきたいと思っています。引き続き応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

LLM setlist