takanaka budoukan 202101-11


高中正義のデビュー50周年/『虹伝説』40周年を記念しての『虹伝説ファイナル』@日本武道館。レコードコレクターズ誌に特集記事を書いたご縁もあってか、急遽、観に行くことになりました。サポート・メンバーは斉藤ノヴ(per)岡沢章(b)宮崎まさひろ(ds)宮崎裕介/井上薫(kyd)と、当の高中以外、全員顔見知り。コーラスのAMAZONS(大滝裕子・吉川智子・斉藤久美)も、大滝さんとは面識がある。それに大学の軽音サークル時代、高中のコピー・バンドを手伝っていたこともあって、キティ時代の楽曲は身に染み付いていたりする。そうした意味で、ぜひ観たいと思っていたライヴだった。最後に高中を観たのは、3年前の『BRASILIAN SKIES 40周年』ツアー以来か。よく考えてみたら、LIVE Light Mellowのリハーサルに始まって、(芳野)藤丸さんのライヴなど、4週連続で宮崎さんのドラム・プレイに接しているな。

ショウは2部構成で、1部は『虹伝説(THE RAINBOW GOBLINS)』の完全再現。客電が落ち、オーケストラによる<Prologue>がおごそかに流れ出すと、それだけでゾワゾワしてくる。メンバーはそれぞれが虹色のジャンプ・スーツにマント姿で、高中は一番目立つイエローの衣装。流石にレインボー・ヘアーではなく、掛けているのもストラトキャスターのオールド・モデル。それでもステージには虹を模したアーチが掛かっていて、40年前の虹伝説ライヴを可能な限り忠実に再現。その電飾がLEDなところに、時の流れを感じたりして。

高中も幾分キンチョー気味だったのか、時折メンバーと目線を合わせてニヤリとする他は、終始真面目な表情。とにかく微細に入るまで緻密にアレンジされた組曲だから、それだけプレイに集中していたのだろう。ほぼオリジナル通りの構成だったが、曲によって若干キメが加えられたり、エンディングが付いたところも。<THE SUNSET VALLEY>ではストラトを下げたまま、スタンドに固定されたカラフルなアコギを弾くなど、芸が細かい。それにしても70分越えの大作アルバムを中だるみナシに一気に聴かせていく、その作曲能力の素晴らしさに改めて感動。ご愛嬌のミストーンも極めて少なく、身を委ねるような感覚で聴くこと・観ることができた。唯一40年前も高中と一緒に武道館のステージに立っていた(正しくはドラムの前に座っていた)宮崎さんのシュアなプレイにも、背筋がピーン。2ndキーボードの役割に加え、オリジナルに入っているサックスやストリングスも一手に引き受けていた井上薫も、イイ仕事してました。『虹伝説』ラストの<YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE』では、お馴染み、レインボー・カラーのYAHAMA SG登場。ホント、高中のヴォリューム奏法は天下一品で、何とも感動的なエンディングになった。

インターヴァルを挟んでの第2部は、ベスト・ヒットのオン・パレード。高中は上掲の真紅のスーツ(TAKANAKA II の再現)で登場。1部ではセンターのセットに張り付いていたが、いきなりステージ袖に移動して、オーディエンスを煽る。<Mambo No.5>ではAmazonsも登場し、ショウを華やがせて。アレンジにもThe Champs<Tequila>を織り交ぜたりして、言わばお祭りムード。高中自身も終始笑顔で、1部とは別人のようなリラックスぶりだった。寺内タケシへの追悼か、<津軽じょんがら節>を織り交ぜたのは何処だったかな…。特設花道の先端で椅子に座って奏でた<Alone>の味わい、その最後に<イパネマの娘>のフレーズを差すのが高中のセンス。ベタといえばベタだけど、それが大衆性ってモノだろう。その屈託のなさがこの人らしい。ただMCでの意味不明のモノマネは要らなかったかな…

<Tropic Birds><Ready To Fly><黒船>の流れはライヴでの定石で、ある意味 完全な予定調和。…っていうか、『虹伝説』の再現、と謳ったところで、この日のパフォーマンスの8割がたは予定通り、と言える。でも何を演るか、おおよそ分かっているところで、その上を行くパフォーマンスを披露できるのが、大物の大物たる所以。この夜の高中は、まさにそれを地で行っていた。「コレが最後の武道館」なんて発言もあったけれど、何処で演るかはともかく、高中がバリバリ現役であることに疑いはない。これからも元気ハツラツ、ギターで歌い続けてほしい。

そういえば、『虹伝説BOX』発売と同時に、キティ時代の作品群もズラリとサブスク解禁されています。

[ 2nd stage SETLIST]
1 .Early Bird
2. Finger Dancing
3. Seychells
4. Mambo No.5
5. 渚・モデラート
6. SHAKE IT
7. Alone
8. Palm Street
9. Tropic Birds
10. Ready To Fly
11. 黒船
-- Encour --
1. 一番好きな海の色
2. Blue Lagoon